20歳を「はたち」というわけ
昨日、TBS ラジオの土曜ワイドを聞いていたら、永六輔さんが 「はたち(二十歳)」という言葉の語源を語っていた。神社や相撲力士の幟旗は、縦に 15、横に 5つ、合計 20の旗竿に通す輪(乳) が付いているので、「旗乳(はたち)」になったというのである。
なんとなくもっともらしいが、私は聞いた瞬間に「そりゃ俗説にもほどがある」と思った。尊敬する永六輔さんではあるが、たまにこういうことをおっしゃる。前にも「ミスター・ボージャングルの正体」という記事でも触れたようなことがあったし。
で、念のために調べてみると、「語源由来時点」の「はたち」の項に、次のようにある(参照)。
「はた」 は 「20」 を意味し、「ち」 は助数詞。
「はた」 に助数詞を加えた例として、「二十年(はたとせ)」 「二十巻 (はたまき)」 「二十人 (はたとり)」 などがある。
助数詞の 「ち」 は、「ひとつ」 「ふたつ」 の 「つ」 と同じく 「個」 を意味する。
この項目の説明の中で、「旗乳」を語源とするというのは俗説で、「強引すぎるとしか言いようがない」とされている。「強引すぎる」ということには、私も賛成である。こんなので妙に納得しちゃう人がいたら、ちょっと困ってしまう。
「はた」が「20」を意味するというのは、上記の例の他にも「十重二十重」を「とえはたえ」と読むことからもわかる。何も旗竿を通す輪の数なんか持ち出さなくても、単純に考えればいいのだ。
ただ、どうして 「20」 が 「はた」 なのかについては、依然としてわからないままに残るのが痛恨だ。
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コメント
2が「ふた」なのと関係ないすかね?
投稿: Cru | 2013年5月13日 22:54
Cru さん:
関係ありという説もありますが、その 10倍ということをどう説明するかが問題ですね。
投稿: tak | 2013年5月14日 01:25
「ミスター・ボージャングル」 は私の大好きな歌です。
tak さんの十八番が「ミスター・ボージャングル」 ということは、相当な歌唱力ですね。
又、「ミスター・ボージャングル」 についての背景を説明いただき、ありがとうございました。
投稿: ハマッコー | 2013年5月14日 23:38
ハマッコー さん:
たった今、WOWOW で レオン・ラッセルの 1980年クリスマス・ライブの録画を見て、熱くなってました。
投稿: tak | 2013年5月14日 23:53