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2013年5月18日

橋下さんの 「トンデモ発言」 について、二重三重に危惧する

一昨年の秋に「橋下不支持宣言」という記事を書いていることでおわかりのように、私は橋下徹氏を支持しない。支持しないが、今回の「従軍慰安婦」に関する発言の問題では、条件反射的に噛みつく気になれなかった。どんな文脈で語られたのかを見極める必要があると思ったのである。

で、どんな文脈かがうかがわれる記事が見つかった。SYNODOS の "橋下徹大阪市長 「米軍の風俗業活用を」はいかなる文脈で発言されたのか (2013年5月13日) 大阪市長・橋下徹氏ぶらさがり取材全文文字起こし" というものである。

この記事を読んだ私の率直な感想は、「橋下さん、それほど滅茶苦茶なことは言ってないじゃないか」というものである。ところどころ勇み足的な部分がないではないが、世間でヒステリックに非難されているような発言はしていない。ただ、一部を切り取って副詞を省くと、広く報道されているような「トンデモ発言」になる。

マスコミというのは、ちょっと込み入った回りくどい発言をテキトーにトリミングして「トンデモ発言」に加工することがよくある。順々に諭していかなければならないような話を「ぶら下がり取材」みたいな条件下ですると、大抵 「トンデモ発言」にされてしまうのだ。

橋下さんはそれをして「大誤報された」とかなりご立腹(参照)のようだが、マスコミというのはそういうものなのだと知らなかったわけはないのだから、そんな条件下でのデリケートな発言は控えるべきだった。

ただ、マスコミに加工された「トンデモ発言」は、ヒステリックに糾弾されるばかりでは決してなく、そのまま「橋下さん、よくぞ言ってくれた!」と歓迎する層もある。一杯飲み屋や銭湯、サウナ風呂でのオヤジ談義など、マスコミには登場しない「あまりお行儀の良くない論壇」では、どちらかと言えばそんな感じの「歓迎発言」の方が声高に語られている。

橋下さんのいちびり発言と、それが加工された「トンデモ発言」に関して、よく検証もしないでヒステリックに糾弾する論調が「まとも」と受け取られる「世間の表の顔」と、それとは対照的に、大歓迎して喜ぶオヤジたちの「世間の裏の顔」。私はこうした状況を、二重三重の意味で危惧するものである。

 

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