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2013年5月 2日

「メディアス文」 として殿堂入りさせたい "SMARTPHONE IS MEDIAS"

先月 29日の 「"SMARTPHONE IS MEDIAS" って、一体何なんだ?」 という記事に emi さんから、こんなようなおもしろいコメントが寄せられた。

「うなぎ文」「こんにゃく文」に次ぐ「メディアス文」として確立する…かな?

な~るほど。これは言えてる。

ちなみに、「うなぎ文」というのは、日本語の文法を論じる際の有名な喩えである。複数の人間と丼物の食堂に入って「ご注文は?」と聞かれ、「天丼お願いします」「親子丼ね!」と続いた後に、鰻丼を注文しようとして「僕はうなぎ!」と言っても、「僕 = うなぎ」という意味ではないということだ。

だから、英訳しても "I'm an eel." とはならない。ところがあの長嶋茂雄さんが、米国でチキンを注文しようとして "I'm chicken." と言ったという話が伝えられている。長嶋さんならいかにもありそうなことで、これはもう、「うなぎ文」どころではないが、まあ、日本の英語教育の世界でもさすがに長嶋さんに敬意を表してか、「チキン文」とは言わないようだ。

同様に「こんにゃくを食べても太らない」というような意味で「こんにゃくは太らない」と言っても、「こんにゃく自体がもりもり太ったりすることはない」と言いたいわけではないから、英語でも "A piece of konyaku doesn't get fat." とは言わない。

そして、例の "SMARTPHONE IS MEDIAS" である。「スマートフォンはメディアスです」というのである。「僕はうなぎ」と、それほど遠くない。

このコピーを最初に見た時、もしかして "Smartphones are the media" あるいは "Smartphone has become the media" と言いたいのかなあと思った。「スマホはそれ自体、既にメディアの領域に達しているんですよ」というようなことを表現しているのかと。

それで、「いずれにしてもこなれない英語だけど、"media" はそれ自体 "medium" の複数形なんだから、"s" は付けなくていいんだけど」とも思ったのである。

そう思った直後に、「なんだ、これ  "MEDIAS" の広告だったのか」 と気付いた。それで、そこはそれ、「商品名ですから」ということで苦しく逃げてもらってもいいとは思ったが、そうだとしても、まあ、やっぱり「なんだかなあ」となってしまう。

ここはもう、素直に「スマートフォンはメディアス」と日本語で書いた方がずっとましな気がするが、そこは横文字好きが宿業とまで化した広告業界である。どうしてもアルファベットを並べる方が、「雰囲気のモノ」らしくなると考えたのだろう。「雰囲気のモノ」で売れるとは、私としては決して思わないのだが。

こうなったらやはり、「メディアス文」 として殿堂入してもらいたいところである。

 

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コメント

言い出したのは私ですが、こちらの資料によると、トヨタやソニーなどの大先輩がいるようなので、残念ながら「メディアス」が代表に選ばれる可能性は低いでしょう。

http://www.nier.go.jp/saka/pdf/N07015043.pdf
(p.57 の後半に該当箇所があります)

投稿: emi | 2013年5月 3日 05:33

emi さん:

初めから全部読んじゃいました。
だいぶお利口になった気がします (^o^)

英語にも 「コーヒー文」があるどころか、かなり普遍的なんですね。
ただし、いずれもくだけた口語であるというのも共通しているようです。

それにしても、Beetle Bailey って漫画、おもしろい!
ググったらどっさり出てきました。

投稿: tak | 2013年5月 3日 07:48

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