イナゴの佃煮
国連食糧農業機関(FAO)が昆虫食を推奨する報告書を発表したんだそうだ。虫を食うなんていうと、ゲテモノ食いの領域と思われそうだが、世界には昆虫を常食としている地域がかなり広がっており、そこに住むのべ人口は 20億人に達するのだそうだ。
かくいう私も、イナゴの佃煮が好物である。子供の頃は本当に、ごく普通の食べ物だった。東京に来てそれを言ったところ、職場の女子が大いに引いてしまい、人格攻撃の領域にまで広がりかかったことがあるが、私の感覚では、それこそ大いに失礼な態度というものである。
私からすると、虫が食えないくせに、どうしてエビやカニは食えるのだろうと思う。シュリンプなんて、気分はほとんど虫だし、カニなんてチョー大型の虫だ。それに、エビを生で食えるくせに佃煮にしたイナゴが食えないなんて、どうにも理解できない。
今後、地球温暖化によって食料問題が取りざたされる時が来る。必ず来る。そうなると牛や豚なんていうのは、生産効率からしたら問題ありすぎだから、食肉業界は遠からず衰退するだろう。そうなったら、動物性タンパク質は魚と虫で摂るのが一番いい。
とはいえ、食べ物の好き嫌いは理屈ではなく、それこそ「宿業」みたいなものだから、「昆虫食が世界を救う」といくら力説しても、食えないという人は死んでも食えないだろう。まことにもって因果なことである。
そういえば近頃、イナゴの佃煮を口にしていない。聞けば今では「珍味」の部類なのだそうだ。世の中、変われば変わるものである。
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コメント
イナゴ、食感は小海老みたいでげすよね。
イナゴのかき揚げ丼なんて、うめぇんじゃないでげすかね。
もっとも、田んぼに薬を撒きやがるんで、イナゴも減ってるんでげしょうね。
発想を変えて、薬は撒かないで、イナゴも一網打尽にして、イナゴのかき揚げ、イナゴの唐揚げ、佃煮(これはポピュラーでげすね)、イナゴのピリ辛なんかにして、おいしく食っちまったらいいと思いやすね!麦酒にも合いそうでげすね!
投稿: ルイ・フェルディナン・下衆兵衛 | 2013年5月15日 23:00
まぁ「○○なんて気持ち悪くて食えない」が多様に分散している方が、同じ資源を奪い合うことなく棲み分けられていいのかもしれません。
投稿: 山辺響 | 2013年5月16日 09:08
ルイ・フェルディナン・下衆兵衛 さん:
改名なさったようですね (^o^)
米の収量とイナゴの捕獲量で「行ってこい」なら、無農薬の米とイナゴを食いたいなあ。
投稿: tak | 2013年5月17日 02:36
山辺響 さん:
願わくは、「マグロなんて気持ち悪くて……」とか言う人が増えてもらいたいところですね。
投稿: tak | 2013年5月17日 02:40