「じぇじぇじぇ」と「シェー」
産経のサイトの【『深・裏・斜』読み】 で取り上げられている「じぇじぇじぇブーム」(参照) って何のことかと思ったら、NHK の朝ドラの「あまちゃん」が発生源のお話らしい。基本的にこの手の番組は見ないので聞いたことがないのだが、試しに YouTube で検索してみたら、こちらで聞くことができた。岩手県久慈市の小袖地区のみで使われるレア方言だという。
岩手県では「じぇ」以外にも驚きを表す 「兄弟語」 が点在しているそうで、「じゃ」(盛岡市など)、「ざー」(宮古市)、「さー」(奥州市)、「ばー」(大船渡市)、「だ」(大槌町)などがあるという。産経の記事はさらに、次のように指摘する。
全国に目を転じると、驚きや戸惑いを表現する感動詞は、岩手県以外にも京都から伝わった形跡がある。ドラマなどで幕末の志士、坂本龍馬が発する 「ちゃ」 もその一つ。正確な数は不明だが、全国で少なくとも約 40以上の「じぇ」の “親類語” があるとみられる。
それを言ったら、その昔、おそ松くんに出てくるイヤミが連発した「シェー!」だって、「じぇじぇじぇ」 のお仲間に違いない。私の死んだ祖父も、何かに驚いたり感心したりすると、すぐに「しぇー」が出た。さらに何にでも「のぅ」が付く庄内弁のことだから、ほとほと感心したりすると「しぇーのぅ」なんて言っていた。
赤塚不二雄先生は新潟県で中学生時代を過ごしていて、庄内とはそれほど離れていないところだから、多分「しぇー」とか、それにごく近い感動詞を耳にしていたんだと思う。
そもそも「しぇー」は方言とも言い切れない。歌舞伎でも驚きを表現する時に「しぇー」とか「しゃー」とかいう感動詞が出てくる。「しゃー、そりゃ、まことか?」ってな具合である。六代目歌右衛門の「しぇー」はとても見事だった。
「じぇじぇじぇ」と「シェー」 は、確実に親類なのだと思う。
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コメント
イヤミ氏は方言なんか使いませんよ。
彼は「ひぇー!」と驚いているのです。
ところが あの出っ歯から空気が漏れて、
「シェー!」になるのです。
遠い記憶ですが、これは当時の定説だったと思います。
投稿: McC | 2013年6月11日 12:59
McC さん:
歌右衛門は出っ歯じゃなかったけど、「しぇー」でしたね (^o^)
多分、「ひぇー」 のおフランス語訛りなんでしょうね。リエンヌ地方ではとくにそれがきついとか。
投稿: tak | 2013年6月11日 13:40