昔の夏は短かった
今日は妙に涼しい。梅雨明け直後のあのクラクラするような暑さと比べたら、もう夏が終わるんじゃないかと錯覚するほどの涼しさで、日が暮れてからは肌寒く感じるほどだ。というわけで、「そう言えば、昔の夏は短いものだったんだよなあ」などと、ぶつぶつ呟いている。
昔の物語のエンディングの決まり文句に、「○○の短い夏が終わった」というのがあった。ハイティーンの少年の夏休み、アルバイト先とか帰省先とかで、少し年上の女性との出会いがあり、甘酸っぱさとほろ苦さの混じり合う、恋愛とあこがれとの境目のような心情の体験をするうちに、秋風が吹き始め、別れを迎える。
「短い夏の終わり」である。そう、昔の夏は、本当にあっという間に終わったものなのである。
ところが、最近の夏ときたらどうだ。9月になって夏休みが終わっても、彼岸を過ぎても、10月の声を聞いても、ちょっと晴れさえすれば、気温は 30度を超える。だらだらといつまでも続く。そして人々は額の汗を拭きながら、「秋はまだか」なんて呟く。もはや「甘酸っぱさとほろ苦さの混じり合う物語」なんて成立しにくくなってしまった。
しかしなんと、今年の夏は変った様相である。関東ではほとんどないに等しかった梅雨が明けた途端に、とてつもない猛暑になり、その暑さにようやく体が慣れかけたと思ったら、今度は急に涼しくなった。来週にかけても「戻り梅雨」のような天気が続くという。一体どうなってるんだ?
もしかしたら、「短い夏」が一度終わった後に、「長い真夏」が始まるのだろうか。(「夏」と「真夏」については、今月 10日の 突然の 「真夏」を参照されたい)
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- マイナ免許証の具体的な話がやっとわかった(2025.03.23)
- 席を譲るのを「恥ずかしがる」という妙な免罪符(2025.03.11)
- 「ねるねるねるね」というモノのミステリー(2025.03.05)
- 戦前のカレンダーからわかってくること(2025.03.04)
- 新幹線に 2人席と 3人席があるって、そんなに便利か?(2025.02.19)
コメント