「アマゾネス」 という国民的誤解
「アマゾネス」って、「女性の婦人警官」とか、「女の尼さん」とか言うような、変な言い方だよなあと、少なくともここ 30年以上思ってきた。
一般には 「ギリシャ神話に出てくる女武人族、『アマゾン族』の男勝りの女性」を「アマゾネス」というように思われているが、実は "Amazon" という単語自体が、「アマゾン族の女」を指すので、わざわざ "-ess" を付けて女性形にする必要はない。
"God" (神) に対して女神は "goddess"、"actor" (俳優) に対して女優は "actoress"、"lion" に対して雌ライオンは "lioness" だが、アマゾン族の女性に関しては 少なくとも英語には "Amazoness" なんていう言い方はなく、"Amazon" で、必要にして十分なのである。
どうして日本では「アマゾネス」なんていう変な言い方が発明されてしまったものか、わけがわからなかったが、つい昨日のこと、何気なく iPhone アプリの『大辞林』を調べたところ、呆気なくその由来が知れてしまった。こう説明してあったのである。
アマゾネス [フランス語の「アマゾンヌ(Amazones)」のローマ字読み]
思わず、「はあ !?」と叫んでしまったよ。
なんだ、そんなことだったのか! こともあろうに、フランス語をもっともらしくローマ字読みして、たまたま女性名詞っぽい雰囲気になってしまったので、なんとなくツボにはまり、そのまま広まってしまったというのか! そんな馬鹿馬鹿しい話だったのか!
この誤解の根はものすごく深いようで、Wikipedia の「アマゾネス (映画)」という項目でも、この映画の英語タイトルが、いつ修正されるかわからないが、少なくとも本日現在では 「伊: Le guerriere dal seno nudo, 英: The Amazones」と表示されている (参照)。
ちなみにこの映画の実際の英語タイトルは ”War Goddes” で、英語版 Wikipedia には ”also known as The Amazons" (Amazons としても知られる)とある(参照)。
がっくりと脱力してしまったが、まあ、大きな国民的誤解の理由がやっとわかったので、よしとしておこう。で、せっかくだから、多くの日本人と共有しておこうと、今日の記事にしたというわけである。
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コメント
尼ぞん…!?
(゚д゚lll)
投稿: ひろゆき | 2013年7月17日 22:00
ひろゆき さん:
じぇじぇじぇー!
(尼ちゃん)
投稿: tak | 2013年7月18日 06:22
先日「アレルギー」の件で投稿したhokkaidenseです。
今回も興味深く拝見いたしました。
アマゾンたちは弓矢を射るのに邪魔だからといって
右の乳房を取っていたようで、それが語源になってるんですね。
やっぱり女性は強い、と思わされます(笑)
私が高校生の頃に疑問だったのは「エネルギッシュ」で、
元のなんという英単語を誤読したらこうなるんだ、と
思っていたら、これはドイツ語で、それは合ってると。
さらにそこから「油ギッシュ」とかになると、何がなにやら
という感じですが、日本語の持つ外来語を受け入れやすい
性質には驚くばかりです。
投稿: hokkaidense | 2013年7月18日 06:56
昔あった「へぇ」ボタンがあれば連打するところです(笑) フランス語学習者としては興味深い。
投稿: 山辺響 | 2013年7月18日 13:59
hokkaidense さん:
>日本語の持つ外来語を受け入れやすい性質には驚くばかりです。
まさに、柔軟過ぎるほどですね。
投稿: tak | 2013年7月19日 00:56
山辺響 さん:
私は 「へえ!」 じゃなくて、「はあ!?」でしたがね ^^;)
投稿: tak | 2013年7月19日 00:57
突然訪問します失礼しました。あなたのブログはとてもすばらしいです、本当に感心しました!
投稿: レイバン サングラス | 2013年7月22日 01:30
レイバンサングラス さん:
突然レスします。あなたのコメントはとてもくだらないです。本当にあきれました。
レイバンが気の毒です。
(例によって、リンク先は変更してあります)
投稿: tak | 2013年7月22日 02:08