リモコンの熱中症
IT 機器というのは、時々ものすごく人間的な振舞をしてくれることがある。「このマシンもそろそろ買い換えかな」と呟いた途端に、機嫌が悪くなってフリーズを連発するので、「ごめんごめん、まだまだ君のことを使い続けるつもりだから、ご機嫌を直しておくれ」となだめると、急に動作がスムーズになったりする。
この夏は、カーナビのリモコンがとても人間的になってくれたりしたので、ここに報告しておこう。
7月の梅雨明け以後、一度妙に涼しくなったと思ったものの、またしても暑さが戻ってきたのは、8月の 5日頃だった。それから続く暑さは、まだまだ記憶に新しいところである。そして、8月の 6日か 7日頃だったと思う。私の車のカーナビのリモコンが、壊れてしまったのだ。
初めは電池が切れたのかと思って交換してみたのだが、うんともすんとも言わない。完全に壊れてしまったようなのである。私はそれまで、エアコンの吹き出し口に取り付けたフックにリモコンを固定して、操作しやすいようにしていたのだが、諦めて取り外し、カー・オーディオの下にしまい込んだ。
「やれやれ、これからは、このやたら反応の悪いタッチパネルに頼って操作しなければならないのか」と、私はため息をついたのである。私のカーナビは、タッチパネル操作が可能なのだが、それはめちゃくちゃ反応が悪くてイライラするので、いつもリモコンで操作していたのだ。そのリモコンが壊れたので、本当に操作しにくくなってしまったのである。
ところがそれから 4~5日経ったある日、カー・オーディオの下にしまい込んだリモコンを処分するために取り出そうとすると、ボタンに指を触れてしまった。すると、ピッと反応するのである。画面をみると、なんだか直ってしまったようなのだ。
どうやら、エアコンの吹き出し口にセットしたまま、日向に放置してしまったので、あまりの暑さのため、リモコンが熱中症で気絶してしまっていたようなのである。それがしばらく日陰においたため、息を吹き返したみたいなのだ。
それからは、リモコンは常にエアコンの冷気に当て、日向に駐車する時は日陰にしまうようにしている。するとなかなか機嫌良く動作してくれるのだ。リモコンが熱中症になるとは、この年になって初めて知ったのである。
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