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2013年8月11日

「夜蝉」という言葉を造語して

私の造語の一つに「夜蝉」というのがある。文字通り、夜に鳴く蝉である。この言葉を初めて公式に使ったのは、4年前の平成 21年 8月 10日の「和歌ログ」で、当時は「よぜみ」と入力しても「代ゼミ」としか変換されなかったし、ウェブの世界を検索しても見つからなかった。(今は少なからず検索される)

「夜蝉」という言葉なんていかにもありそうな気がしていたのだが、何となかったのである。夜に蝉が鳴くなんていうのは、ちょっと前まではあり得ないことで、あり得ないことだから、そんな言葉もなかったのである。ところが今や ”Weblio" に「季語」として載っている(参照)のだから驚きだ。

この日の歌は、「途切れがちの夜蝉の声を突き破り救急車のサイレン駆け抜けていく」というものだ。意識的に字余りを多用して、ニューウェーブの歌を作ろうとしていた頃である。記事では、「気温の高い夜、街灯の明かりなどが近くにあると、昼と勘違いして鳴くらしい」と書いている。どうも本当にその通りらしいのである。

この日の記事には、"ものすごい蒸し暑さの中で、国道六号線のそばの茂みの中から「ジジッ、ジジッ」と蝉の声が聞こえる" と書かれている。まさに 「途切れがち」 だったのだ。しかし時代はますます進んでいるようなのである。

このほかに、「夜蝉」 は次の 2首に歌い込んである。

一瞬の初鳴き聞こえ見上ぐれど夜蝉の見ゆるはずもなきなり (平成 22年 7月 23日)

七日を少しも長く生きむとて公園の灯に夜蝉啼くなり (平成 23年 8月 10日)

3年前の歌はまだ「一瞬の初鳴き」だが、2年前の歌になるともう、アブラゼミが夜通し鳴いていて、さらにこのブログを更新している真夜中の今も、ヒグラシが延々と鳴き続けている。部屋の中の気温は 33度。頭がぼうっとするような暑さである。

昨日は名古屋にいた日中からどうもおかしいと思っていたが、日本のあちこちで 40度越えのとんでもない暑さの一日だったのだね。いやはや。これで街灯の明かりが近ければ、そりゃあ蝉は勘違いするだろう。

ちなみに私のつたない造語には「イタセリ」というのもあるが、これは妻との間でしか通用しない。「至れり尽くせり」 の省略形である。「いやあ、昨日はもう、イタセリのサービスでさぁ」なんて使い方をするが、そんなサービスに滅多に合わないので、使用回数が極端に少なく、当事者間でも死語と化している。

しかし、「夜蝉」は死語になるどころか、今後ますます使用頻度が増えそうである。

 

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コメント

英語だと“night cicada”デスネ! コッチは、漢字の「夜蝉」にくらべて、画数(?)が少ないので、涼しソウデスネ(^-^)!
なつのヨルのムァッとする暑さを表すには、ヤパリ、漢字のほうが画数が多いノデ合いますネ!

ン? 「蝉」ッテいう字をジックリ見ると、体が甲殻類っぽいムシが、ウルサイほど声をあげている絵が浮かんで来ましたヨ!

イヤ~、漢字ッテタノシイデスネ!

投稿: ルイ・フェルディナン・ミンミンゼミ | 2013年8月13日 09:15

ルイ・フェルディナン・ミンミンゼミ さん:

そう言われてみると、そんな風に見えてきました (^o^)

想像力は創造力!

投稿: tak | 2013年8月13日 09:42

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