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2013年8月22日

バフンウニと馬糞まんじゅう

近頃、「バフンウニ」というウニがあると、初めて知った。トゲがあまり長くなくて、見た目にころっとしており、馬糞に似ているからそう呼ぶのだそうだ。日本のほとんどの海域で獲れるが、近頃は入荷量がとても少なく、珍味なのだそうである。

ところで、ウチの田舎には「馬糞まんじゅう」というものがある。これもまた見た目からきた名前だが、バフンウニよりもさらに馬糞そのものである。バフンウニだの馬糞まんじゅうだのというと、眉をひそめる人もいるが、これはもう、固有名詞(後者は商品名でもある)なのだから、しかたがない。そして、食べれば旨いのだから、ことさらに名前を嫌う必要もない。

思えば私の子供の頃は、中心街でも道の真ん中には馬糞が点々と落ちていた。いや、落ちていたというより、こんもりと盛り上がっていた。主な輸送手段が自動車ではなく馬車だったのだから、しょうがない。だから馬糞をことさら汚いものとして忌み嫌うという感覚が、私にはない。

馬糞が日常的なものだったから、平気で「バフンウニ」だの「馬糞まんじゅう」だのという名前を付けて、さらに珍味として味わったりするのも平気なのである。これはなかなかオツなことである。

世の中が漂白され、消毒され、殺菌されすぎてしまうと、味わいがなくなる。

 

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コメント

TVで除菌・殺菌関連のCMが多くなり、なんだかなぁと思っております。
そんなに何でもかんでも除菌していたら、抵抗力がなくなり、かえってこわい感じがします。

クライアントが来社された時、
打ち合わせが終わる頃に、コーヒーやクッキーなどをお出しするのですが、
床にポロッとお菓子を落とされた時、すかさずサッと拾って、ちょっと汚れを払ってから、
口にポイッと入れて「5秒ルールで大丈夫」と笑っておられた方がいました。

その方の好感度が一気に高まりました。

私の子どもの頃は「落としてもすぐ拾えば汚くないから食べてもオッケー」とおおらかなものでした。

投稿: さくら | 2013年8月23日 15:00

ウニすきですー!
٩(⑅´◡` )۶

投稿: ひろゆき | 2013年8月23日 18:46

お菓子の変な名前、「鹿のふん」のことを書くのを忘れてしまいました。
豆をチョコでくるんだ奈良のお菓子です。

もう一つ、これは実物を知らないのですが、奈良の友人から聞いたところによると
「大仏の鼻くそ」というお菓子があったけれど、東大寺からのクレームで販売をやめたとか。

投稿: さくら | 2013年8月23日 23:01

さくら さん:

「5秒ルール」 を実行された方は、米国人ですか?
日本ではよく 「3秒ルール」 といいますが、米国では "five-second rule" が一般的なようです。

米国の方が、この点に関しては大らかですね。

「鹿のふん」と 「大仏の鼻くそ」 は聞いたことがあります。後者は消滅しているのですね。ある意味、残念 ^^;)

投稿: tak | 2013年8月24日 09:02

ひろゆき さん:

実は、ウニにもピンからキリまでありまして、ぬるっとしてしょっぱいだけというのが、最近は多いです。

気を付けましょう (^o^)

投稿: tak | 2013年8月24日 09:03

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