「この世」 と 「あの世」
心と遺伝子研究会を主宰する筑波大名誉教授の村上和雄先生は、「死後の世界、『あの世』があるかどうかは、50%の確率」という。それは「あるか、ないか」のどちらかだからだ。そして、「ないと思って、この世で好き放題やるのもいいが、もしかして、意に反して『あの世』があったりしたら、死んでからエラいことになる」とおっしゃる。
科学者だけに、非常に論理的な筋の展開である。「あの世」は、あるともないとも、客観的には証明されていないから、死んでから「あの世」に行ってしまう可能性というのはあるわけで、その確率は 50%というのだから、もし「あの世 に行くことになってもあまり困らないように、「この世」できちんと準備をしておくにこしたことがない。
もし、「あの世」というものがなかったとしても、「この世」であまり悪因縁を積まないような、というか、むしろ善業を積むような生き方をしていれば、嫌なストレスにさらされることもなく、生きている間にも幸せな心持ちで暮らせる。
そして、その善業は子孫のためにもなる。お世話になった人の子や孫だもの、周囲の人たちから、きっとよくしてもらえるだろう。「情けは人のためならず」である。下世話な言い方をすれば、「あの世」があると思って、それなりの生き方をすることは、どちらに転んでも決して損にはならない。
問題は、どうしてみんなそう思わないのだろうかということである。とくに損得勘定にこだわる人の中に、「死んでしまえばそれっきりよ」とばかりに、生きている間に思いっきりあこぎなことをしたがる人が多いのが、私は不思議である。そんな生き方をしたら、大変なストレスだろうに。
下世話な損得勘定からいっても、結局のところは、「あの世はある」と思っている方がいいのである。
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