Tシャツのロゴ、酷いのは和訳じゃなくて、元の英文なのだが
はてなブックマークに "【悲報】「英字Tシャツ」 の和訳が酷すぎる件" というのがあり、今イチ意味不明なのでリンク先に行ってみると、なんのことはない、素っ頓狂な英語がプリントされた Tシャツ画像を集めたものに、2ch 風のコメントがずらりとついているだけのものだった。もしかして、元は 2ch のスレなのかな?
で、「今イチ意味不明」と思ったのは、このタイトルを読む限りは、初めは「和訳が下手」という意味に受け取りかけたのである。しかし実際はそういうわけではなく、要するに元々の英語がひどいのであって、画像に添付された和訳は、むしろ上手な方だ。
私は「なるほど、そうであったか」と納得した。この類の Tシャツを着て歩く人たちにとっては、ひどいのはあくまでも「和訳」であって、和訳さえしなければ、それは単に、アルファベットがかっこよさげに並んでいるデザインなのである。「和訳が酷すぎる」というタイトルには、そうしたメンタリティが如実に反映されている。
まあ、そんなことは初めからわかってたことだけど、今さらながら、ものすごくはっきりと確認されたような気がするのである。和訳なんていう余計なことをして、せっかくのデザインをぶちこわしちゃいけないのだ。でもなあ、英語で書いてあると、ついそのまま読んでしまう人間もいるのである。和訳してみて初めて酷くなるというわけじゃないのだよね。
ちなみにこのスレについたコメントを眺めていると、外国人の女の子が "日本語話せません I don't speak Japanese." とプリントされた Tシャツを着ている画像に、「i dont speak~ だと、日本語では話したくない の意味にならんか? cannotなら話せないだが」(原文ママ)なんていうレスが付いていて、たまげた。
もちろん、ならんよ。ネイティブの英語に和英辞書的発想でイチャモンをつけるとは、なかなかいい度胸だが、まあ、大体がこの程度だから数々の素っ頓狂英語が出現するんだろうね。
さらに読み進むと、ようやく 62番目に「和訳が酷いのではなく元の文が酷いんだろ」という、まともなコメントが見つかって、少し救われた思いがしたのである。世の中、ギリギリのところで、まんざら捨てたものじゃない。
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