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2013年10月25日

「一票の格差」 をしっかりと政治に反映させればいいのに

「一票の格差」が久しぶりに問題になっている。昨年 12月の総選挙は、最大 2.43倍の格差があったらしい。複数の弁護士グループがこれを憲法違反として選挙無効を求めた訴訟で、最高裁は 11月 20日判決を出すのだそうだ。ふぅん、結構迅速対応してくれるようになったものだな。

一票の格差は、はっきり言って都会と田舎の差である。都会では一票の重みが軽視されがちで、田舎の一票は重い。これを不平等であるとして、最大でも 2倍以内に抑えろというのが、一般的な見解になっている。

しかし、2倍以内に抑えられたとしても、不平等は不平等である。これを「許容範囲」と見るのは、田舎優遇措置である。田舎は都会に比べて何かと不利なことが多いから、せめて選挙の時だけでも少しは有利にしてやろうということだ。

しかし選挙のたびに、都会の 2倍もの力を持たせてもらうという優遇措置を得ているにもかかわらず、田舎は過疎化する一方である。せっかくの「2倍の発言力」がまったく活かされていない。若年層はとにかく都会になびく。選挙では田舎の半分の力しか持たされないことになるのに。

これは、「一票の格差」というものを地方の人たち自身が、ちっともメリットと思っていないことを如実に物語る。メリットと思っていたら、田舎に留まる。田舎の人自身にも、メリットとは到底思われないから、田舎を捨てるのである。

現行の「一票の格差」の恩恵を被っているのは、田舎の中でも既得権をしっかり握る有力者だけである。だから、彼らは田舎を離れない。フツーのおっさんやおばさんには、実はあまり関係のない話だ。昔なら越後の「角さん」みたいな人が道路やトンネルや鉄道をどんどん造ってくれたが、今はそんなことも大して期待できない。

で、田舎の既得権をしっかり握るのは、概して「守旧派」である。言い方を変えれば、この人たちが既得権を手放さないから、せっかく選挙のたびに都会の 2倍のパワーを与えられるのに、田舎はちっともよくならないのである。

田舎もよくならないし、都会もよくならない。日本中よくならない。それでみんな不満を爆発させるのだ。いっそのこと、「一票の格差」を、実際の政治にきちんと反映させて、地方をもろに優遇すればいいのにと、思うことがある。そうすれば、都会への過度の人口集中も緩和されて、全体として住みやすい国になるだろうに。

 

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コメント

そもそも、「一票の格差が~」なんて怒っている奴が、どんどん田舎に引っ越せばいいんですよ。そうすれば、自分の政治的な主張も反映させやすくなるし、格差も縮まるし……。

って、私のことか(笑)

…引っ越さないですねぇ(^^;;;;;

「有利な一票」に支えられた政治家が「国全体を考えた」(「全体の奉仕者」ですから)地元への利益誘導=地方振興をやればいい、ということかなぁ。そううまくはいかないか。

投稿: 山辺響 | 2013年10月28日 14:26

山辺響 さん:

一番おいしいのは、田舎で既得権益をむさぼることですよ (^o^)
日本の政治のかなりの部分は、ここを指向していますから。

それじゃ困るってんで、民主党政権時代に急な是正をしようとしたけど、叶わず、やっぱり自民党政権でほんの少しずつ是正していくしかないということになったんだと、私はみています。

投稿: tak | 2013年10月29日 10:46

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