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2013年11月11日

「北東の風、強く、のちやや強く」 の意味

前から気になっているのだが、天気予報での風の強さの予報で、「北東の風強く、のち、やや強く……」と言ったような言い回しが、かなり紛らわしく感じるのである。子供の頃は、北東の風が強い上に、後になって、さらにやや強まるのかと思っていた。ところが、どうやら違うらしいのである。

風の強さを表すには風力の数字以外に、言葉による表現がある。「強い/やや強い」に関しては、気象庁のサイトによると「強い風」が「風速が 15m/s 以上 20m/s 未満の風」で、「やや強い風」が「風速が10m/s 以上 15m/s 未満の風」と規定されている。当然ながら、「強い風」の方が「やや強い風」よりも強い。

つまり、「強く、のち、やや強く」というのは、初めは「強い風」であって、後に「やや強い風」に変わるという意味で、要するに相対的には少し弱まるのである。ところが言葉をそのまま聞いてしまうと、継続的な気分のせいで、後になって「やや強まる」というようにも聞こえてしまうのだ。

このように、「公式的言葉」は「日常的言葉」とはやや異なっているのである。それをとくに感じるのは、法律用語や法律の条文だ。日常的な感覚からはかなりかけ離れた言い回しが多い。

公式的言葉を読み解くには、単語を「部品」として捉え、文章はその部品の組み合わせとして、機械的に理解しなければならない。つながり具合が多少気持ち悪くても、感性を封印し、機械的に整合性がとれさえすればいいと考える。つまり「強く、のち、やや強く」も、ほとんど符丁みたいなものぐらいの感覚で理解しなければならない。

ただそれにしても、公選法 第141条の 3「選挙運動のために使用される自動車の上においては、選挙運動をすることができない」(参照)というのは、シュールすぎると思うのだがなあ。

 

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