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2013年11月 4日

旧国名をしっかりモノにしてみたい

山形県生まれで茨城県在住の私は、西日本の人たちが山形県と秋田県の区別がつかなかったり、群馬県、栃木県、茨城県の位置関係がわかっていなかったりすることに、内心ムッときていたのだが、考えてみれば、私だって前は島根県と鳥取県、徳島県と香川県の位置関係がアヤしかったりしていたのだから、おあいこである。

近頃は仕事で日本中に出かける機会が増えたので、都道府県はしっかりわかった。とにかく一度自力で行ってしまえば、地理関係は整理が付くし、土地柄も少しはわかる。3度か 4度行けば、いくら方向音痴の私でも、中心街は迷わず歩ける。

先月は香川県に出張したので、日本全国 47都道府県のうち、46都道府県を踏破した。残るは鳥取県だけである。お隣の島根県は既に行ったし、他ならぬ今日も訪問中なのだが、鳥取県はなかなか行く機会がない。しかしここまでくれば、なるべく早いうちに 47都道府県すべてを踏破してみたいものだ。

で、話を元に戻すが、都道府県レベルでの日本地理はしっかりわかったのだが、旧国名での理解が、今イチなのである。念のため説明しておくが、旧国名とは日本が律令国家だった頃に決められた地名で、長野のあたりが 「信濃」、新潟のあたりが 「越後」、静岡のあたりが 「駿河」 というような呼び方のことである。

私はもう一つのブログ 『和歌ログ』 で、旧かな使いで文語の歌を作っているので、行く先々で読む歌は旧国名を使うことが多い。広島に行けば 「安芸の地は浄めの雨の降り止みて旅路の我に薄日差し来る」 なんてことになるし、宮崎に行けば 「日向なる国の陽射しをついぞ見ぬ旅にしあればまた訪ね来む」 てなことになる。

こんなわけで、旧国名に関しては、同年代の連中よりはずっと詳しいという自負がある。ところが東日本生まれの哀しさで、西日本の旧国名は、まだすっかりわかったわけではない。

この件に関しては、西日本生まれの人はずっと有利である。なにしろ東北方面は、太平洋側の「陸奥(むつ)」と日本海側の「出羽(でわ)」の、2つしかない。畿内からみれば地の果てというわけで、明治になる前はこんなチョー大雑把な区分けで済ませられていたのである。

もっとも明治になってからは、「陸奥」が「陸前」「陸中」「陸奥」の 3つに分けられ (一番奥は「陸後」 ではなく、漢字が漢字だけに「陸奥」のまま)、「出羽」も「羽前」と「羽後」の 2つに分けられたが、その後すぐに廃藩置県になったので、その実効期間は哀しいほど短い。

東北の大雑把さに比べると、西日本は今の府県よりもずっときめ細かく分けられていて、覚えにくくてたまらない。とにかく今の大阪府という狭い地域に、「摂津」「河内」「和泉」という 3つの国が存在していたのだ。大阪人なら感覚で違いがわかるだろうが、東北生まれにはなかなか理解しにくい。

今日訪れている島根県だって、昔は「出雲」と「石見(いわみ)」の 2つの国に分かれていたのだ。今となっては、東北より人口が少なくなっているというのに。

さらに難読国名というハードルがある。「但馬(たじま)」「因幡(いなば)」「播磨(はりま)」「安芸(あき)」「長門(ながと)」ぐらいなら、まだなんとかなり、「周防(すおう)」も、ぎりぎり大丈夫のラインだが、そんなものでは済まない。

「遠江(とおとうみ)」(今の静岡県西部)、「伯耆(ほうき)」(今の鳥取県西部)、「美作(みまさか)」(今の岡山県北部)なんてもろに難読もいいところで、地元以外でちゃんと読める人は本当に少ないだろう。

さらに、正式の国名以外に「略号」というのがある。例えば「信濃」が「信州」、「甲斐」が「甲州」、「尾張」が「尾州」となる。「上州」や「長州」なんて、「上野 (こうずけ)」「長門」よりも馴染みがあるぐらいだろう。ここまで覚えるのはかなり大変だ。

いずれにしても、旧国名を理解した上で現地を訪ねると、現在の都道府県の区分けでは反映されない地域性の差がしっくりと理解できるところがあって、なかなかいいものである。時間をかけてでもしっかりモノにしてみたいと思っている。

【業務連絡 (2013.11.28)】

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【業務連絡 (2020.4.23)】

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コメント

美作は読めます。宮本武蔵の出身地だったと思う……吉川英治のおかげ(笑)

そういえば、最近Digital Geneというところが作っているパズルアプリで、都道府県や東京23区の白地図埋めて遊んでいます。旧国名もありますね。

http://digital-gene.com/apppc.php?lang=jp

投稿: 山辺響 | 2013年11月 5日 10:04

蝦夷生まれで、現在筑前在住です。
小学校の給食にあった筑前煮の「ちくぜん」が地名だと知ったのは
いつだったでしょうか。ちょっと思い出せませんが、
鉄道マニアなので、駅名や路線名で旧国名を覚えたものでした。
鳥取に行かれるなら、姫路や岡山から特急に乗っていくのは
いかがですか。智頭急行線という第3セクターを通りますが、
途中、先の方も書かれていますが、ずばり宮本武蔵という
駅を通ります(特急は通過ですが)。
途中停車駅の智頭はひなびた田舎町で酒蔵の見学を
されるといいですよ。「恋山形」なんていう名前の駅もあって
旅情を誘います。智頭から先はJRの因美線で、
因幡と美作で因美線です。
鉄道の旅で旧国名を覚える。楽しくはないですか?

投稿: hokkaidense | 2013年11月 5日 21:59

山辺響 さん:

>美作は読めます。宮本武蔵の出身地だったと思う

それは知りませんでした。
歴史小説や、もっといえば講談本なんかも使えそうですね (^o^)

>そういえば、最近Digital Geneというところが作っているパズルアプリで、都道府県や東京23区の白地図埋めて遊んでいます。旧国名もありますね。

ドイツの地名なんてのもありますね。全然わかりません。
仕事で何度も行ったフランクフルトも、ドイツのどの辺にあるのか、定かじゃないので ^^;)

投稿: tak | 2013年11月 6日 00:15

hokkaidense さん:

>鉄道マニアなので、駅名や路線名で旧国名を覚えたものでした。

なるほど、それはいい手ですね。

>智頭急行線という第3セクターを通りますが、
途中、先の方も書かれていますが、ずばり宮本武蔵という
駅を通ります(特急は通過ですが)。

それはまた、全然知りませんでした。
時間さえあれば乗ってみたいんですがね ^^;)

投稿: tak | 2013年11月 6日 00:17

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