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2013年11月12日

どうして単語登録の手間を惜しむ?

私の PC に入っている ATOK には、自分でもどのくらいあるかわからないぐらいの膨大な単語登録がしてあって、ものすごく重宝している。たまに他人の PC を使って 「平成 25年」 と入力する時、いつものように「へせ」とやっても「平成」に変換されないのにがっくりきて、ものすごく気の利かない PC だと思ってしまう。

この他にも、仕事や個人的付き合いでの交友関係が、200人以上登録されている。苗字を入力すれば正しいフルネームに変換されるようにしてあるので、ミス表記がなくなるのがありがたい。人名を間違える (「隆史」「隆志」「孝史」などの変換ミス) のはかなり失礼にあたるので、このくらいはしておく方がいい。

それからビジネスメールで必ず使う「お世話になっております」という出だしは、「おせわに」で、「よろしくお願いいたします」は 「よろおね」で変換される。こんなに決まり切ったフレーズを入力するのに、いちいちまともにキーボードをパンチするのは、私としては信じられない。

それから、ちょっと入力しにくい単語なども、迷わず登録してある。例えば「発表」は「はp」、「プレゼンテーション」は「ぷれぜん」ではなく「ふれせん」(P、Z よりも、F、S の方がパンチしやすい)、「つくばエクスプレス」は「tx」だ。

ここで急に思い出したが、「tx」と入力すると「つくばエクスプレス」の他に「テキスタイル」という単語にも変換される。最近は 「つくばエクスプレス」の方が圧倒的に優先されるが、前に繊維業界の仕事をしていた時は、まず「テキスタイル」と変換されていた。

そうえいば私の登録単語は、繊維業界用語がかなり多い。「ふぁぶ」と入力すれば「ファブリック」「ファブリケーション」が出てくるし、「ぽり」と入れるだけで「ポリエステル」になる。「w」の一文字だけで「ウール」が出てくるのは、前にウール関連の仕事をしていた名残だ。ちなみに「ウールブレンド」は「wb」で登録してある。

この関連では「あ」で 「アパレル」「ふぁ」で 「ファッション」、「ふぶる」で 「ファッショナブル」、 「こーで」で「コーディネーション」、「かじ」で「カジュアル」 、「md」で 「マーチャンダイジング」など、かなりの数の単語が登録してある。

関係先や文中によく出てくる企業名、団体名、固有名詞でも、よく使うのはほとんど登録してある。例えば「経済産業省」は 「めち」。これは 英語の略称 "METI" からきている。「こむで」はもちろん 「コム・デ・ギャルソン」 、「すかつり」は「東京スカイツリー」だ。

私が驚いてしまうのは、ビジネスで PC を使っている人の多くが、あまりにも単語登録を利用していないことである。例えば自分の部署名が 「マーケティング開発部」だったら、私なら躊躇なく「まけかい」で登録するのだが、そんなふうにしている人はあまり見かけない。

「だって、『負け会』って変換されちゃうでしょ」なんて言われるのだが、一度「マーケティング開発部」で変換してしまえば、次からはこれが優先されるので問題ない。これをやらないというのは本当に信じられない。

「だって、登録するのが面倒なんだもの」という人もいる。しかし私にしてみれば、たった一度の手間を惜しんで、同じ長ったらしい言葉を死ぬまで指がからみそうになりながら入力する方が、ずっと面倒だ。PC という道具は、面倒を回避して楽をするためにあるというのに。

ここでふと気付いたのだが、「PC は面倒なもの」と思っている人ほど、実際に PC を面倒に使っているという傾向がある。それで結局は PC に使われてしまっているのである。「楽するためのもの」と思っていれば、徹底的に楽ができるような算段をして、PC を使いこなす。

私が Windows 付属の MS-IME ではなく ATOK を使っているのは、好きなだけ単語登録ができるからでもある。Windows のおまけにすぎない MS-IME では、これができない。登録単語のファイルサイズが 64KB を超えると、ある日突然消えてしまうのである(参照)。

 

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コメント

おっしゃるとおりなのですが、なるべく、他に使う可能性のない(少ない)読みで登録する方がいい(そういう読みの単語がない)、というのがコツであるような気がします。

今翻訳している原稿では、「りぱ」で「リミテッドパートナーシップ」、「ぱし」で「パートナーシップ」…などと速攻で登録したのですが、これはまず大丈夫として、少し前にやっていた原稿では「とうこう」で「AfDB」となるように登録したので、ちょっと失敗したかなと。「とうこう」という読みは他の単語でもわりと使うので。まぁその業務が終わったら消せばいいんですが。

あと、「よくやっちゃうミスタイプ」も登録することがあります。ちょっと今、良い例が思い浮かばないんですが……。

投稿: 山辺響 | 2013年11月22日 18:05

山辺響 さん:

超々遅レスになってしまい、恐縮です。

ご指摘はまさにその通りで、同音異義語がやまほどあるような短縮形は避けるのが賢明ですね。

投稿: tak | 2015年11月23日 11:09

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