楽して金儲けしたい心情
"ロト 6「当選番号教える」と詐欺容疑 1.5億円被害か" というニュースに、「ああ、人というものは、よくよく楽して金儲けをしたいものなのだなあ」と、かなりネガティブではあるが感動的な思いすら抱いてしまった。
「世の中に、おいしい話なんて、そうそう転がっているわけがない」という常識が、どこの馬の骨とも知らぬ人物から「ロト 6 の当選番号を教えてあげる」という電話をもらっただけで、見事に吹き飛んでしまうのである。どんなに言葉巧みにもちかけられたかは知らないが、そんなことで 1000万円以上の金を易々と渡してしまうのである。
こうした被害に遭うのは、失っても惜しくない金をもっている金持ちのお年寄りだけというわけではない。中には無理矢理借金してまで都合した金を、あっさりと持って行かれてしまう人だって少なくないのだ。
以前勤め人をしていた時、都心のオフィスに 1人残って残業をしていた時、見目麗しいおねえさんが訪問セールスに来て、「中国のリゾート株を買え」と言い始めたことがあった。そのことに関しては 10年以上も前に こちら に書いているが、要するに値上がり確実な株を特別に売ってあげるから、銀行から金を借りてでも買えというのである。
初めはフツーに相手をしたが、聞けば聞くほど話がうますぎる。まともな話じゃないと判断して丁重にお引き取り願ったが、確かにセールスのストーリーは細部に至るまでよく練り上げられていて、トークも見事なまでにお上手だった。ちょっと気を許したら、本当にまことしやかに聞こえかねないのである。
純朴だが欲の皮だけは突っ張っているという人(実はこういう人は、そこら中にうじゃうじゃいる)なら、あっさり信じても不思議じゃないという気がした。あいにくだが私は純朴でもなく、欲の皮は突っ張らすだけ面倒と思う人なので、ころっと騙されることはなかったというだけのことだ。
こんなケースで引っ掛からずに済むには、ただ一つ、先に述べた「世の中に、おいしい話なんて、そうそう転がっているわけがない」という常識を尊重するしかない。ところが欲に目がくらんでしまうと、自分に限っては常識はずれのおいしい話に遭遇することがあっても、決して不思議じゃないと思い込んでしまうのである。
冷静に考えれば、本当においしい話なら初対面の他人になどもちかけるはずがない。縁もゆかりもない他人に話を持ち込むことこそが、詐欺の証拠みたいなものである。それに気付かないのだから、「強欲(ごうよく)」という言葉は「業欲」と書いてしまいたいほどのものだと思うのである。
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コメント
30年前に「いま、金を買えば確実に儲かりますよ」という電話がかかってきた、
「そんなに儲かるの?」
「はい、確実に儲かります」
「そんなに儲かる話を他人に教えたらダメでしょう。電話なんかしてないで金は自分で買わなくちゃ」
これで相手は完全に戦意喪失して、電話は切られました。
この手の電話はすべてこの手段で断ってます。
効果抜群。
投稿: ハマッコー | 2013年11月19日 14:43
ハマッコー さん:
まさにごもっとも ^o^
投稿: tak | 2013年11月20日 08:03