成人男性の喫煙者が、3人に 1人弱という時代になった
厚生労働省の「最新たばこ情報」というページに、日本の成人喫煙率のデータがある(参照)。これは JT の調査に基づいているらしいが、平成 25年の成人男性の平均喫煙率は 32.2%だったらしい。3人に 1人弱である。昭和 40年以降のピーク時 (昭和41年) の 83.7%から、45年間で 51ポイント減少したことになる。
11年前の平成 14年に、成人男性の喫煙率が始めて 50%を切ったと発表された頃は、そんな実感は全然なかった。飲み屋はもちろん、喫茶店でもレストランでも、依然としてたばこの煙に悩まされていた。
それも道理、この年の成人男性の平均喫煙率を下げたのは 60代の 34.5%という数字で、20代から 50代までは依然として 50%以上だったのである。世の中に出てくるマジョリティのマジョリティが、まだ喫煙者だったのだ。
ところが平成 18年以後は、すべての年代で喫煙率が 50%を切るようになった。今年の調査では、40代が 41.0%という以外は、ほとんどが 30%台である。注目すべきは 20代の喫煙率が 29.9%と、60代の 23.8%に次いで低い。今やたばこを吸うのは、カッコいいことではなくなってしまっているようで、この価値観は好ましい。
ちなみに、今は 60代の成人男性の喫煙者は 4人に 1人弱だが、10年前の平成 15年の調査では、50代の喫煙率が 50.3%と、過半数だった。つまり 50代男性が 60代になるまでの、この 10年の間に、喫煙していたうちの 2人に 1人以上が死ぬか、たばこを止めるかしているのである。
さらにデータをよくみると、今年 40.1%と最高の喫煙率を示している 40代成人男性だが、10年前の 30代の時の喫煙率は 56.3%となっている。つまりこの年代の喫煙率も、この 10年間で 16ポイント以上も下がっているということだ。そのうち、全体の平均喫煙率も、30%を切るだろうと期待される。
近頃は「全面禁煙」という飲食店が増え始め、そうでなくても禁煙席の方が大きなスペースを占めるようになりつつある。さすがに分煙の居酒屋というのはほとんどないが、それでも以前のように周囲から押し寄せるたばこの煙にむせ返ることは少なくなった。ようやく喫煙率の減少が実感される時代になってきた。
先日、同年代の仲間が居酒屋に集まって忘年会をしたが、参加した 8人の中に喫煙者は 1人もいなかった。ちょっと前は、4~5人集まると必ず喫煙者がいたが、最近はこんなことも珍しくない。ありがたいことである。このくらいになると、たばこを吸う方がずっと肩身が狭いことになる。
近頃は口臭を気にする人が増えて、対策グッズもいろいろ出てきているが、その割にスモーカーはなぜか、自分が「ヤニ臭い」ことをあまり気にしないようなのである。実はノン・スモーカーにとって、スモーカーの「ヤニ臭さ」は、口臭のひどい人と同じくらい気になるのだがね。
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