確かに、靖国には韓国人の英霊も祀られてるんだが
7年以上も前に「靖国問題は、もううんざり」なんでいう記事を書いた割には、3日連続の靖国ネタである。うんざり感には変わりはないのだが、まあ、止むに止まれずというところなので、お許し頂きたい。
産経新聞の外信コラム「ソウルからヨボセヨ 韓国人の英霊にも」という黒田勝弘記者の署名記事に次のような主張がある。
靖国神社には日本とともに戦ってくれた台湾の人や韓国人の英霊も多数、祭(原文ママ)られている。その中には戦犯として処刑された韓国人の霊も含まれている。安倍首相は参拝に際し彼らにも感謝と慰霊の言葉を発すればもっとよかった。今の韓国が何といおうとそれが日本としての誠意である。
というわけで、要するに安部首相の靖国参拝に関して、「靖国に祀られている韓国人の英霊に対しても、まとめて慰霊している」ってなことをきちんと言えばいいのだというようなお話である。
しかし私としては、そんなことを説明しても逆効果になると思う。言えば言うほど、「俺の身内を勝手に追悼するな」と、文句を言われるばかりである。日本軍に従軍して戦死した韓国人の遺族が、靖国神社に合祀取り消しを求める訴訟が相次いでいるのは、黒田記者としてもご存じのはずだろうに。
ところで私は、上述の 「うんざり」という記事より半年も前に、この件に関連して「『俺の身内を勝手に追悼するな』という理屈」という記事で、次のように書いている。
少なくとも我が国には、「他人を勝手に追悼してはならない」 なんて法律はない。
(中略)
で、同様に、「お前が勝手に俺の身内を追悼するのは気に食わんから、するな!」と言っても、「そうはおっしゃっても、追悼しないではこちらの気が済まないので、追悼させて頂いております」と言われれば、それ以上は何も言えない。
(中略)
靖国神社の場合は、位牌やお骨を祀るわけでもなければ、お墓を建てるわけでもない。一律に玉串料を要求するわけでもない。ただ名簿に記して、追悼するだけのことである。
というわけで、追悼しないではこちらの気が済まないということで、勝手に追悼させてもらっているのだから、淡々とひそやかにやればいいのである。「俺は韓国人の英霊もまとめて手を合わせてるんだ」なんてことは、ことさらに言う必要がない。
そんなことを言っても、「ああ、そうだったんですか。それはご丁寧にありがとうございます」なんてことにはなりっこない。かえって話がややこしくなるばかりである。
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コメント
もうこの問題は、この先何世紀が過ぎようとも、後の歴史家がどのように解釈しようとも、絶対に理解し合えない事実でしかないのだから、ことさら報道したり、問題提起する必要もないんじゃないのかなぁと、思ったりする次第なんですが…
靖国参拝という単なる一行動を、政府やマスコミが取り上げるからには、我が国にも、問題視する隣国にも、何かしらのメリットか利用価値があるということなのだから、せめて一般市民には、間に受けずにそういう情報(思想)操作なんだと思う程度に、理解しておけばいいんだと、個人的には常々思っております…
投稿: もりけん | 2013年12月30日 01:36
もりけん さん:
かなり同感です。
ごく当たり前に靖国参拝したかったら、政治家なんかにならないことですね。
投稿: tak | 2013年12月30日 20:06