ビギナー向け最強の野鳥図鑑
一昨年の 11月に「花の図鑑」という記事を書いて、『花の名前の手帖』(ブティック社刊、写真と文: 夏梅睦夫)をおすすめした。春編・夏編・秋冬編の 3分冊で、収められている花の種類が多く、しかも季節別、色別で調べられるので、とても便利である。アマチュア向けとしては、これが最強の図鑑だと私は思っている。
ただ、この 3分冊は既に絶版のようで、かなり大きな書店でも 3冊揃っているところは稀だ。私は春編だけは書店で購入したが、夏編と秋冬編は Amazon で古本を購入した。今となっては、3冊とも Amazon で古本を買うのが一番手っ取り早いと思う。
なんで花の図鑑なんかが必要なのかというと、私がこのブログの他に「和歌ログ」なんていう酔狂な文芸サイトを運営していて、毎日和歌なんてものを詠んでいるからだ。和歌をやろうとすると、花の名前を知らないでは済まないのである。この図鑑のおかげで、花の名前に疎かった私も、今では人並みまではこぎつけることができた。
同様に、鳥の名前も知らないでは済まないのだが、これまでは手頃でしかも調べやすい鳥の図鑑が見つからなかった。しかし、ようやく見つけたのである。『山野の鳥』『水辺の鳥』という姉妹編で、いずれも日本野鳥の会の編集・発行によるものだ。
しかも、どちらも本体価格 600円という手頃さで、コンパクトな作りなので、どこにでも持って行ける。そして見分け方がとてもわかりやすく解説してある。立ち読みした他のどんな図鑑よりもわかりやすい、かなりありがたいものなのである。ビギナー向けとしては、やはり最強だと思う。
この図鑑を入手して初めてわかったのだが、私は既に野鳥の名前を結構知っている人になっていたようなのである。これはひとえに、30年以上前につくばの地の田園地帯に転居して、ごく自然に鳥たちに接してきたおかげである。
花でも鳥でも、親しむための第一歩はその名前を知ることだと思う。名前を知って、一歩「お近づき」になれる。名前を知ってお近づきになれなければ、歌に詠むこともできない。その意味でも、図鑑は手放せないものになっている。
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