« 3カ国共同で歴史教科書を作るなんて、無理と思うがなあ | トップページ | 『赤鼻のトナカイ』の名前は「ルドルフ」って知ってた? »

2013年12月 2日

昨年の笹子トンネルの事故より 16年も前に、ウチの田舎で

もうすぐ 1周年を迎えようとしている中央道・笹子トンネルの天井版崩落事故は、かなりショックだった。笹子トンネルと同様の吊り天井式のトンネルは、全国にかなりあるという。事故直後の昨年 12月 4日、私は次のように書いている(参照)。

例えば国道 112号線の月山第一トンネルと月山第二トンネルはつり天井らしいのである。このトンネルは私が帰郷する時によく通るので、「おいおい、ちゃんと点検しといてくれよ」と言いたくなった。

あの事故があってからも、月山第一トンネルと第二トンネルは何度も通った。通るたびに上を見上げると、平らなコンクリートのつり天井が気になってしかたがない、「早く通り抜けて、さっさとずらかろう」と思う。あんなものが落ちてきたらたまらないではないか。

そこへもってきて今日、「月山トンネル 96年にボルト脱落確認」という読売の記事を読んで、何だか複雑な気分になった。気になってたまらなかった月山トンネルのつり天井が、既に前世紀末の時点でボルト脱落が発見されたために、修理されていたというのである。

ところがこの作業はわりとこっそりやられてしまって、その情報が広く発信された形跡がない。つまり全国の道路管理者の間では、つり天井のボルトが危ないという情報が共有されていなかった。そのため昨年の事故が起きるまで、同様の危険性のチェックを全国ベースで実施するに至らなかったのだ。

私は昨年の記事に 「俗に『ゴキブリが 1匹いたら 100匹いると思え』という。1カ所落ちたら、全国で今にも落ちそうなところが 100カ所ぐらいあってもおかしくない」と書いた。ところが「1カ所落ちたら」どころか、それよりも 16年も前に、ウチの田舎のトンネルで大事故に直結するボルト脱落が発見されていたのだ。

月山トンネルでボルトの脱落が発見されたということは、同時期に建設された他のトンネル(例えば、笹子トンネル)でも同様の問題が発生している可能性が高い。、こんなことは誰が考えてもわかることだ。ところが 16年前の時点ではこの情報は発信されず、昨年になって笹子トンネル事故が起きたのである。

どうやら人間というのは「ちょっとした問題」ではお尻に火がつかないもののようなのである。大事故が起きて人が死にでもしないと、抜本的な対策は取られないものと思っていいようなのだ。

その意味で、昨年の笹子トンネルの事故に限らず、不幸にして大規模な事故で亡くなった犠牲者は、身を以て危険をアピールしてくれた尊い存在だったのだ言わざるを得ない。

合掌。

ちなみに、月山第一、第二トンネルのつり天井は、現在撤去工事が進められているという。そういえば、10月に父の法事で帰郷した時には、どちらかで平らな天井じゃなくなっていたような気がする。

 

|

« 3カ国共同で歴史教科書を作るなんて、無理と思うがなあ | トップページ | 『赤鼻のトナカイ』の名前は「ルドルフ」って知ってた? »

ニュース」カテゴリの記事

コメント

私も長野に行く時に笹子トンネルを通るのですが、つい最近も去年の出来事を思い出し、上りを通る時に、あらためてその丸さに驚きました。かなり無理に鉄板が付いていたのだと感じました。
亡くなられた方たちやまたそこを潜り抜けた方達のことを思い出しました。合掌。
いくら自分たちが気をつけて運転しても……
幸運を願う他ないですね。

投稿: keicoco | 2013年12月 4日 20:48

keicoco さん:

あれからこっち、トンネルの天井が円いと、少し安心しちゃいますね (^o^)

>かなり無理に鉄板が付いていたのだと感じました。

鉄板じゃなくて、コンクリート版ですよ、コンクリート板がぶら下げられてたんです。信じられないですよね。

投稿: tak | 2013年12月 5日 16:45

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 昨年の笹子トンネルの事故より 16年も前に、ウチの田舎で:

« 3カ国共同で歴史教科書を作るなんて、無理と思うがなあ | トップページ | 『赤鼻のトナカイ』の名前は「ルドルフ」って知ってた? »