東京オリンピックが錦の御旗になってしまったようで
都知事選に立候補するらしい細川さんが、「東京オリンピックは辞退すべきだった」と言ったとか言わなかったとかでゴタゴタになって、釈明することになったらしい。どうも近頃は、東京オリンピックに消極的な人は、歓迎されないどころか、下手すると集中砲火に遭うみたいな雰囲気なのだ。
このあたり、「すごいなあ」と感心してしまうのである。日本国民の 「気を読む」能力というか、変わり身の速さというか、これは大したものである。今や、東京オリンピック開催は「錦の御旗」になってしまった感がある。
しかし、ちょっと思い出してもらいたい。2020年オリンピック開催都市の決定直前頃までは、東京の最大のウィークポイントは、国民の「支持率の低さ」と言われていたのである。日本国民の多くは無関心で、 「そんなにやりたければ、どうぞ」程度だったではないか。
私自身は今でも、東京オリンピックを積極的に喜ぶような気持ちには全然なれなし、ぶっちゃけたところ、「開催反対」である。最大の理由は、オリンピック開催が原発再稼働の最大の理由になることだ。でもまあ、ここまできたら、「決まっちゃんたんだから、放り出すわけにもいかないし。どうぞおやりください」程度の意識である。
決定直後の安部さんは、「誘致成功は、日本人が心を一つにしたおかげ」なんて言っていたが、それは言い過ぎというものだ。はばかりながらオリンピック誘致に関しては、日本人が心を一つにしたなんて事実はない。
しかし、あんなにも「無関心」だったはずの日本人が、今やオリンピックで浮かれている。これって、いったいどのへんでスイッチが切り替わっちゃったんだろう? 来月開幕のソチの冬季オリンピックに向けてさえ、連日マスコミが煽りまくっている。私には、「皆さん、空気読み過ぎなんじゃないの?」と思えてしまうのである。
確かにオリンピックを本当に楽しみにしてる人も、増えているのだろう。だからといって、消極派がいても全然おかしくないではないか。日本国民がこぞってオリンピックを盛り上げなければいけないなんていう義理は、全然ないのである。オリンピックに対する態度だって、いろいろあって当たり前じゃないか。
このあたりの多様性すら認められないようでは、「空気読めない人」やマイノリティにとって、日本は住みにくい国であり続けてしまうし、「いじめ」問題だってずっと消えないだろう。
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コメント
今でも開催辞退できないものかと願っています。それが無理なら、せめて五輪の害を最小限に抑制することに心を砕く人を知事に選びたい。
投稿: 山辺響 | 2014年1月20日 10:30
takさん
オリンピック開催にあたっての、政府の正式な立候補ファイルでは、電力の供給能力について
「(原発がなくても)既存の配電システムで対応することができる」と説明していたはずです。
地元紙の中日新聞で読んだ記憶がありますが、今ググってみたら、
下記の方のページに「東京新聞」にも掲載されていたとありました。
http://blog.goo.ne.jp/fm2010/e/6b4b6bfe7c4bdaf8f526919d0bddc73a
大嘘つきの政府ですから、国民が何を言っても馬耳東風ですよね。
どうせお金を使うなら、東北と福島の人たちの生活を
まともに近づけてからにして欲しいものです。
投稿: さくら | 2014年1月20日 15:48
山辺響 さん:
今さら返上したら国際的信義がどうのこうのという話になるでしょうから、せめて慎ましくやってもらいたいところです。
投稿: tak | 2014年1月21日 11:09
さくら さん:
オリンピック開催は都市が主体になるので、もし細川さんが都知事になったら、「オリンピックのために原発稼働」という空気はなくなるでしょうね。
ただ、細川さんには小沢さんあたりがコバンザメと化してくっつくなんていう噂もあるので、それはいやだなあと。
投稿: tak | 2014年1月21日 11:12