無免許運転は案外多い
昨年末から、無免許運転に関するニュースが妙に増えているなと思っていたら、12月 1日付で道交法が改正され、無免許運転の罰則が強化されていたのだった。道理でね。それにしても、50年間も常習的に無免許での飲酒運転をしていた男が逮捕されたというニュース(参照)には、さすがに驚いた。
読売新聞の記事によれば、昨年 9月に「酒を飲んで無免許で運転している男がいる」とのタレコミを受けた京都府警が捜査していて発覚したものだという。逮捕までに 3ヶ月もかかったのは、さすが田舎の警察という気がする。その間に人身事故でも起こしていたら、警察の責任問題にだってなるだろうに。
道交法の改正では、無免許運転の罰則は「1年以下の懲役または 30万円以下の罰金」から「3年、50万円」に強化された。さらに無免許運転を命じたり、容認したりした場合も同様の罰則となったという。ということは、無免許運転と知っていながら同乗したというだけで、多分 30万円ぐらいの罰金は取られるだろう。
無免許運転というのは、思いの外に多いみたいなのである。規定年齢に達していない高校生が親の車を勝手に運転して事故ったり、オッサンが更新を怠って免許が失効したまま乗り続けたりという話は、本当に珍しくも何ともない。
成人の「無免許運転」は、免許が失効したまま運転し続けるというケースが多い。私の知人にも、期限が切れたことに気付かず、2ヶ月以上も運転していて、何かの検問にひっかかってようやく気付いたという人がいる。その 2ヶ月余りの間は、「無免許運転」ということになるわけだ。免許を取得しなおすのに、半年以上かかっていたと思う。
しかし最初に触れた「50年間も無免許で飲酒運転」という 74歳のじいさんは、もしかしたら、一度も運転免許を持ったことがないんじゃあるまいか。「50年」というのは当人の申告でおおよその数字みたいだから、20歳前頃からずっと勝手に運転していたなんてことも疑われる。
田舎ではそんなのが案外いるのである。都会と違って、車の運転ができないと人間の生活ができないというような環境だから、免許を取らなくても、あるいは期限切れになっても、つい軽い気持ちで無免許運転に走る。それがしばらく続くと、改めて免許を取るのが面倒になり、そのままズルズルと運転し続ける。
かくいう私も大分昔に、友人の車に同乗していて、無免許運転の車と接触事故になったことがある。雪の下り坂で、下から昇ってきたおっさんが何を思ったか、道の真ん中で急停車してしまったのだから、避けようがない。
相手のおっさんがのっけから「全面的に自分が悪いから、修理代は全部払う」なんて言うから、何となくおかしいなとは思っていたが、後になってそいつは無免許だったと判明した。道理で「警察は呼ばなくていい」なんて言ってたわけだ。
長く無免許運転をしているドライバーは、普段は問題なく運転できていても、危険回避の教育も不十分だし、いざという時に適切な対応ができないことが多い。それに保険もまともに入っていないから、何かあると厄介なことになる。
罰則強化に伴う一連の報道が、これまでこっそり無免許運転を続けて来ちゃってる不心得者への大きな警鐘となればいいと思う。うっかりしてると警察にタレコミされちゃうというリスクも、今回のニュースで明らかになったことだしね。次からは、タレコミを受けてから逮捕までに 3ヶ月もかかないだろうから、とりあえずすぐに運転を諦めることだ。
ちなみに、私は 4日前に運転免許を家に忘れたまま車を運転しただけで、「無免許」じゃなく「免許不携帯」ということになるのだが、ちょっとあせった。そうかと思うと、運転免許取得後、ずっと神棚に上げっぱなしのまま、日常的に運転していたというオバサンもいる。世の中は大したものである。
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