空也上人立像を見つめながら思ったこと
18日に北陸の越前市に出張して、翌日は半日京都をうろうろし、夜になって帰ってきた。今週の初めまでは、水曜夜に再び関東で大雪が降る可能性があるなんて言われていたが、それはなかったので、順調に帰ってくることができた。
それにしても驚いたのは、北陸の越前市は時折小雪が舞ったりしたものの、市内には積雪がまったくなかったことだ。新幹線で京都に向かう途中、新横浜から先の綾瀬市付近はかなり雪が残っていただけに、意外な対比である。
もっとも、日本海側と太平洋側では、雪の降るメカニズムが違う。日本海側の雪は「冬型」と称される西高東低の気圧配置によるものだが、太平洋側の雪は本州南岸を低気圧が発達しながら通過することでもたらされる。これは基本的に春に発生しやすいパターンで、そのため、太平洋側の雪は真冬ではなく春先に多いのだ。
つまり、春の嵐になるはずのパターンで、たまたま気温が低い時に、関東は雪になるのである。今月 14日の雪は、初めは気温が低くて大雪パターンだったが、途中から低気圧の引っ張り込んだ南風が優勢になって、急に大雨に変わってしまった。
関東ではかなり東側となるつくば周辺では、その大雨のおかげで降った雪がどんどん解けてしまった。しかし山梨方面では雨に変わる前に既に思いっきり雪が降ってしまっていて、さらに南風に変わっても気温が下がりきれなかったようで、大雪が降り続いた。それであんなことになってしまったわけだ。
それにしても、もう言い飽きそうになるほどだが、近頃は本当に天候が極端だ。昨年の夏に 40度越えが続いて、これも観測史上初めてのことだったのだが、春先になってこれまた観測史上初めての、甲府で積雪 1メートル越えである。今後はこんなような「記録的な○○」とか「観測史上初めて」なんていう事態が当たり前に起きるだろう。
さらにこないだの東日本大震災に続いて、東海だの東南海だの南海トラフだのといった大地震が連続して起きることが予測されている。これはもう、えらいことだ。
平安末期の「末法の世」と言われた時も、都に頻発した大火、天変地異、大地震、飢饉などで大混乱に陥ったが、現代はその頃の状況によく似ている。平安末期はそうした状況の中で貴族社会から武家社会への大変革が起きた。
昨日は京都に寄って、清水の観音様を参拝してから初めて六波羅蜜寺もお参りした。六波羅蜜寺とは、あの踊り念仏を始めたとされる空也上人が開いたお寺である。真偽は不明ながら醍醐天皇の御落胤と伝えられる空也上人の伝えた踊り念仏は、後の末法の世に民衆の間で大いに広まった。
空也上人の唱える「南無阿弥陀仏」の六字の名号がそれぞれ阿弥陀如来となっている重要文化財、空也上人立像を見つめながら、この平成の末法の世に何をなすべきか、何を慎むべきか、思いを巡らせてしまったのであった。
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