下着メーカー 「トリンプ」 の由来
「トリンプ」という名前の下着メーカーがある。私は長らくアパレル業界でメシを食っていたので、このメーカーとも少しは関わりがあった。
このメーカーの英文字標記が "Triumph" であるということも、当然ながら知っていた。中には全然無頓着な業界人もいるが、私は一時、日本の繊維業界の状況を英語でレポートするなんていう仕事もしていたので、会社名の英文表記に関しては、フツーの人よりは気にかかってしまう。
で、この会社の英文名は "Triumph"(意味は「勝利」)なのだから、カタカナでは「トライアンフ」ということに、フツーはなり、「トリンプ」は、少なくとも英語読みじゃないことは明らかである。私としてはそれ以上深く詮索しないで、「フランス語読みなのかな?」ぐらいに軽く考えていた。
ところが、どうやらフランス語読みでもないようなのである。Triumph はフランス語では triomphe になって、読みは「トリオンフ」に近いらしい。さればドイツ語かと思ったが、綴りは英語と同じで、発音はフランス語に近く「トリオンフ」という感じだ。じゃあ「トリンプ」というのは、一体何語読みなのだ?
この疑問は、案外簡単に解けた。スイスに本社がある Triumph International という会社が日本に進出した際に、日本語の読み方をどうするかで検討した結果、「トリンプ」という、何語読みというわけでもない、いわく言いがたい読み方になったのだそうだ。
「へなちょこパンチ」というブログの管理人さんが、トリンプの日本法人に直接問い合わせたところ、次のような返事があったそうである。(参照)
弊社の名前の由来とのことですが「TRIUMPH」はドイツ語で「勝利」という意味であり、
その単語を日本になじみやすく「トリンプ」という読み方にしました造語でございます。
なんとまあ、「造語」なんだそうだよ。びっくりだね。
ちなみに、このブログの管理人さんは「なぜ『下着会社』が『勝利』なのか」を知りたかったのだが、この回答ではその疑問までは晴れなかったとしている。で、その部分を探してみると、Wikipedia で案外簡単に見つかった。こんなことらしい。
世界中のどこでも一目で認識してもらえる印象的な商標の必要性を感じていたシュピースホーファーは、パリの凱旋門を目にした瞬間にひらめき、勝利=「Triumph」が商標となった。
案外単純な理由で、"Triumph" というブランドはできてしまったらしいのだ。ちなみに、シュピースホーファーというのはドイツのコルセット製造職人で、トリンプの創業者である。ドイツ人にとっては、女性の下着もかなり豪快なイメージで語るもののようなのである。
まあ、それも何となくわかるような気がするけどね。
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