ホットミルクはなぜ甘いのか
人間いくつになっても知らないことってあるもので、逆に言えば、いくつになっても新しいことを知って「そうだったのか!」と頭の中に電気が灯るような爽快感を得るのが、当サイトの目的の一つだったりする。というわけで今日は、還暦を過ぎて初めて知った「ホットミルクはなぜ甘いのか」という話題である。
牛乳を暖めるとほんのりとした甘みが加わるのは、ほとんどの人が知っているだろう。とくに冬の寒い夜などはホットミルクを飲むと体が暖まるのと同時にほっこりとした気分になって、寝付きがよくなったりする。
もっとも、古くから言い伝えられている「ホットミルクで安眠できる」ということについては、「効果がある」という説と「単なる気のせい」という 2つの説がある。
実際のところ、牛乳に含まれる安眠成分が本当に効果を発揮するには、よほど大量に飲まなければならないという話もあり、いずれにしても 「気分の問題」 というのが大きいようだが、それならそれでもいいじゃないかという気もする。「納豆を食べて痩せる」なんていう話よりはずっといい。
で、話を元に戻すが、牛乳を温めると甘くなるというのは、私はおぼろげに、熱を加えることによって微妙な化学変化が起きて甘み成分が生じるのだと思っていた。ところがどうやらそうじゃないらしい。
それは人間の舌の方の問題らしいのだ。「Yahoo 知恵袋」に次のようにある。
甘みは体温と同じか少し高めの温度の方が甘さを強く感じます。温めた方が冷蔵庫から出してそのまま飲むよりも甘く感じるのはそのせいです。
念のため、「味覚/温度」というキーワードでググると、九州労災病院の勤労者予防医療センターというそれらしいページに行き当たり、そこにも次のようにある(参照)。
舌には、未蕾という甘み、塩辛さ、苦み、酸味を感知する4種類の感覚器がありますが、4つのうち、甘みと塩辛さの感度は、人肌の温度の時をピークに、それより高くても低くても鈍化してしまうそうです。甘みは体温に近い温度の時に、もっとも強く感じるそうです。
というわけで、冷たい牛乳を飲んだときには感じられなかった甘みが、温めたときにしっかりわかるというだけの話のようなのだ。なんだ、そんなことだったのか。
ちなみに、Yahoo 知恵袋の方には、「アイスクリームのように冷やして食べるスイーツは、常温にすると耐えられないほど甘くなりますよ」という記述があり、実際に試してみようかとも思ったが、それではもったいなさ過ぎると考え直して、危うく思いとどまった。
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コメント
tak-shonaiさんおはようございます~
いろんな知識ありがとうございます。
ふ~~んそうかぁ~~わかりました~(o^-^o)
投稿: tokiko6565 | 2014年2月16日 06:11
母が作ってくれたお弁当のおかずは、家で食べるのより「ちょっと味が濃いめ」になっていました。
聞いてみたら「冷めると味が薄く感じるからね」と答えてくれたのを思い出しました。
投稿: さくら | 2014年2月16日 10:53
tokiko さん:
そういえば、かけそばのつゆは、ミルクの裏返しの感じがします。
熱々の時はちょうどいい味加減でも、食べ終えた後につゆをすすろうとすると、なんだかしょっぱすぎる。それで、かけそばでもそば湯をもらって薄めたりします。
これって、熱々の時にはわからなかった味が、ちょっとぬるくなるとわかってくるんでしょうね。
投稿: tak | 2014年2月17日 00:23
さくら さん:
それはよくできたお母さんですね!
そこまで考えている人は少ないんじゃないかなあ。
投稿: tak | 2014年2月17日 00:24
市販の冷たい飲食物の甘み原料に砂糖ではなく「果糖ぶどう糖液糖」
が使われているのも、冷たいところだと砂糖だと相当な量を入れないと甘みを感じないのでコスト高というのが理由だったと思います。果糖ぶどう糖液糖は温度が低いほど甘さを強く感じるというのも不思議で興味深いです。味は悪いらしいですけど。
投稿: syu | 2014年3月 6日 22:16
syu さん:
ほほう、そういうことがあるんですか。
人間の舌の方が、体温に近いほど甘みを感じやすいということからは離れて、甘みの方で、温度が低くても甘さを発揮しやすいというようなメカニズムをもったりするわけですね。
とすると、「甘さ」 の正体って、一体何なんだろう?
多分、同じ 「甘さ」 と言っても、虹の色が無限のグラデーションなのに 「七色」
と感じられるように、砂糖の甘さと果糖などの甘さとは、微妙に違った味なんでしょうね。
投稿: tak | 2014年3月 7日 00:31