「報・連・相」 の馬鹿馬鹿しさ
「報・連・相(ほうれんそう)を禁止せよ」という日経ビジネスの記事のタイトルに引かれて読んでみると、岐阜県の未来工業という会社は、実際に「報・連・相」を禁止しているのだそうだ。うぅむ、なかなかやるのう。
例えば出張先から上司に「今、名古屋駅です。これから新幹線で戻ります」などと連絡を入れることについて、同社は「小学生ではあるまいに、なぜ、いちいち連絡をしてくるのか。通話料も無駄だし、かけてくる社員の時間はもちろん、受ける事務員の時間も無駄」と、ばっさり切り捨てている。
それだけではない。同社は「『どこどこを訪問してカタログを置いてきた』といった報告を書かれてもなんの参考にもならない」と、数年前から営業日報も廃止しているという。
私自身もサラリーマンをしていた頃、一世を風靡した「報・連・相」にはものすごく疑問を感じていた。週報の提出を義務づけられていた時期があったのだが、そんなものを提出しても、上司はまともにチェックしている気配がない。報告の内容よりも、「きちんと提出している」というアリバイの方が大切なのだ。
実際のところ、社員というのは毎日、毎週、とくに報告しなければならないほどのユニークなことをしているわけじゃない。報告書の中身なんていうのは、たいてい面白くもなんともないのである。だから上司だってまともに目を通さない。その証拠に、たまに大切な変化や提案などを報告しても、何の反応もない。
本当に伝えなければならない大切な事項は、日報や週報なんかに書いても無駄で、直接口でいう方がずっといい。ということは、日報や週報なんて、書くだけ無駄なのである。さらに、日報や週報を書きさえすればいいという雰囲気は、会社の雰囲気を停滞させる。無駄以上に有害だったりするのだ。
停滞した会社では、「報・連・相」は不真面目だが、たまに大きな仕事をするというやつよりも、毎日、毎週おもしろくもない報告を提出するやつの方が評価されたりする。上司はその報告なんかまともに読みもしないくせに、「きちんと提出されている」という「一見真面目」ということの方が大切なのだ。
報告や連絡なんて、本当に必要な時にすればいいし、相談なんて、下手にすると有望なプロジェクトにつながるはずの案件が上司に握りつぶされてしまうリスクの方が大きい。
形式的な「報・連・相」なんて、無能な管理職の保身の道具にしかならないという、バカバカしいものである。
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コメント
tak-shonaiさんおはようございます~

すばらしい!!
なんてすてきな論でしょう~~
ほんとうに、そうですね~~
tak-shonaiさんに一票
投稿: tokiko6565 | 2014年2月18日 07:59
tikiko さん:
なんだか、実感してらっしゃるようですね ^^;)
投稿: tak | 2014年2月18日 21:51