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2014年3月 1日

ビットコインの問題で考えたこと

いやはや、驚いた。ついこないだ箱根駅伝を見たと思っていたら、もう 3月である。Jリーグも開幕したし、今年もだんだん佳境に入ってくる。ぐずぐずしていられない。

ところで、ビットコインの大手取引仲介会社のマウントゴックスが経営破綻したとやらの話が、世間で話題になっている。話題になってはいるが、その中身に関しては詳しい人がいなくて、マスコミやインターネットを検索しても、要領よくわからせてくれる解説が見当たらない。私自身もビットコインなんて使ったこともないので、はっきり言って「どーでもいいや」みたいな感覚である。

オッサン連中は、「だから、そんなわけのわからないモノは信用できないんだ」と言い出し、「現金が一番安心」なんて話になる。いや、待ってくれ、現金だって盗まれもするし、あっという間に右から左に消えてしまうところは同じなのだがなあ。

私は昔からお金とはあまり縁のない人間で、金儲けの才覚はないも同然なので、現代の経済の仕組みには到底馴染めないところがある。だからお金というものは、国の後ろ盾があろうが、地域通貨だろうが、ビットコインだろうが、あまり執着しようとも思わない。

私は通貨というもののコンセプトが劇的に変化して、単なる「持ち点制度」みたいなことになる未来を夢見ることがある。各自が独自の社会貢献をして、その貢献の度合いによって「持ち点」を与えられ、その持ち点が通貨の役割をするのだ。

社会貢献の仕方は多種多様である。実際のモノ作りから、サービス、アートに至るまで、各自が得意な分野で能力を磨きながら働く。最先端の航空機などを作るのも、道路の掃除をするのも、社会貢献には変わりがないから、それぞれの貢献価値に従って持ち点が与えられる。

持ち点は、単純にモノやサービスを得るために使うしかないから、現代の経済のように、金で金を買うみたいな面倒な仕組みは存在しなくなる。だから株式や外貨の売買みたいなこともナンセンスになる。とはいえ、人間には欲望があるから、それを満たすためには、それなりの社会貢献をして自分の持ち点を増やすしかない。

だから、世の中が停滞するという心配もそれほどないだろう。むしろ、あまりにも過剰な経済活動がなくなるだけ、人間には時間的な余裕ができて、ゆとりある暮らしができると、私はごく楽観的に考えている。共産主義と異なるのは、中央集権的なコントロールが存在せず、いわば、ピア・ツー・ピア的な要請で「社会貢献」が発生するということだ。

そのためには、社会的なモラルが高度に発達していなければならず、それを維持するために、むしろ高度情報化社会でなければならない。原始の時代に戻るというわけではないのである。

世の中がこれだけ激烈な競争社会になると、そのうち人間の神経の方が絶えられなくなる分岐点が来る。「質の高い暮らし」や「利便性」を求めるあまり、神経が耐えられないほどの競争にさらされるのでは、本末転倒だ。

人間にとって本質的に重要でないほどの過剰な経済活動は、廃れて行くべきである。それは「禁止」などという制度によるのではなく、むしろ人間が自ら「馬鹿馬鹿しさ」を感じて、「こんなこと、いつまでもやってらんないよ」と、自然に離れて行く形になるのが理想的だ。そのためには、ベースとして高度情報化社会でなければならない。

私の従妹が田舎の山の中に嫁に行って、なかなか素敵な暮らしをしている。食べ物はかなりの部分が自給自足に近い形になっていて、自分の家で作っていない作物でも、朝起きると、近所の誰かが玄関の前にドサッと置いていてくれる。もちろん、自分の家で穫れたものも、近所に配る。

日用品は農協のストアで購入するが、それはクーポン券で足りる。だから「日本銀行券を目にすることなんて、あまりない」というのである。とはいいながら、現代日本のことだから、原始社会のようなライフスタイルをしているわけでもないし、社会的情報だってきちんと持っている。

必要ならいつでも都会に出かけることができるが、いつもは田舎のゆとりあるライフスタイルを謳歌している。都会に生活の基盤を置いてしまうと、そんな「いいとこ取り」は難しいが、都会から離れてしまえば、それが十分に可能だ。

こんなような、神経症になってしまうリスクの小さいライフスタイルが、そのうち主流になるだろうと思うのである。田舎で暮らしながら情報システムを駆使して、きちんと社会貢献をし、それに見合った「持ち点」をもらい、そして慎ましく使う。

そうしたライフスタイルの良さに最後まで気付かない層が、気の毒なことにあくせく都会生活を続けて、無駄に神経をすり減らし、あたら人生を無駄にする。

 

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コメント

tak-shonaiさんこんにちは!
ビットコインについてはつい最近クローズアップ現代で
放送されていたので、初めて知りました。
そこで、
国家の保証は何もないからもし、何かが起きたら、
非常に危ないものだと言っていました。
まあ、私などは、ネットをろくろく活用できない人間ですから
関係ないと思っておりましたら、すぐにこんな事件が起きて驚いています。

投稿: tokiko6565 | 2014年3月 2日 11:58

tokiko さん:

私は、国家の保証があろうがなかろうが、お金というのは危ないものだと思っています ^^;)

投稿: tak | 2014年3月 2日 22:18

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