焼酎が「特定農薬」って?
Slashdot によると、お国の手によって焼酎が「特定農薬」に指定されそうな運びなんだとさ(参照)。それで、日本酒造組合中央会が、今年 2月 28日付で 焼酎を農薬扱いみたいなことにされたら迷惑ということで、そんな指定はやめてくれという要望書を出している(参照)。
元ネタの農業共済新聞の記事は、2010年 10月 2週号(週刊新聞なんだろうね)というかなりの旧聞なんだけど、指定の動きがいかにも農業関連のお役所仕事らしくだいぶグズグズなようで、今頃問題になっている。そもそも「特定農薬」って何なのかといえば、「農薬としての規制を受けないが農薬のように使われる物」 ということなのだそうだ。
今回の焼酎についていえば、上述の農業共済新聞の記事によれば、こんなことである。
北海道や青森県、高知県の生産者が、アブラムシやカイガラムシなどの病害虫防除に焼酎を利用。水や食酢と混ぜて 100倍に薄め、キュウリやホウレンソウなどに散布している。薬害や水産動植物に対する安全性も確認されており、特定農薬の指定に向け、食品安全委員会に諮問することとなった。
どうやら、「何となく効くみたいだし、害もないみたいだから、使ってます」というようなことらしく、まあ、「風邪を引いたら、番茶に梅干しを入れたのを飲んで、あったかいうどんを食ってぐっすり寝る」みたいなお話なのかもしれない。こんなことなら、薬事法云々というお話でもない。
焼酎に関しては、「薬害や水産動植物に対する安全性も確認されており」とあるし、あとは本当に効くかどうかなのだが、当人たちが「効く」と思って使ってるんなら、「どうぞご自由に」ということで、放っておけばいいんじゃないかという気がする。何もそこまでお国が出しゃばって、「特定農薬」なんてことにする必要があるとも思われない。
問題は、農薬工業会のサイトによれば、「現段階では個人の責任で使用することには制限がありませんが、薬効をうたって販売すれば登録のない農薬と同じ扱いになり罰則の対象になります」ということのようなのである。要するに、「病気に効くかどうかお墨付きがないものを、『効く』と言って販売したら、薬事法違反」というようなもののようなのだ。
つまり、「焼酎はアブラムシやカイガラムシなどの病害虫防除に効果がありますよ」と言って売ったら、罪になるというのである。しかし、酒屋やスーパーがそんなことを言って焼酎を売るとも思われない。農家や家庭菜園をやってる連中が、勝手にそんなような使い方をするだけである。だったら、何度も言うが、放っておけばいいではないか。
そんなところまでお国が出しゃばって、余計な指定をするなんて、いかにも既得権確保みたいなことをしたがるから、焼酎メーカーが迷惑がるのである。気の毒なことである。
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コメント
そう言えば、昔アイガモが特定農薬に指定されたかされかかったかで話題になったことがありましたね。
アイガモには気の毒な話でした。
投稿: きっしー | 2014年3月11日 21:03
きっしー さん:
そういえば、そんなようなことがありましたね。
改めて Wikipedia で調べてみたら、
「雑草を食べることで除草効果を期待するアイガモ、アヒル、牛、コイ等は雑草も作物も食べるという理由でこれらの生物が行っているのは防除ではないとして特定農薬の検討からはずした」
とありました。
アヒル、牛、コイまで巻き込まれていたんですね。
お役人も相当ヒマなのか、将来の天下り先を作っておきたいのか。
投稿: tak | 2014年3月11日 23:54