ニフティが身売りするらしいので
朝日新聞が 「富士通、ニフティを売却へ 会員減少で業績低迷」と報じているので、ニフティの運営するココログで長年ブログを書いている身としては、ちょっと穏やかでない気持ちになってしまった。記事は "富士通が、インターネット接続サービス(プロバイダー)の子会社「ニフティ」を売却する手続きに入ったことが分かった" と告げている。
もっともその後、日経が「富士通、ニフティ売却手続き報道を否定」と報じてはいるのだが、否定しているのはどうやら「売却する手続きに入った」という文言のみで、富士通の広報は「ニフティの株式売却はかねての懸案で 『様々な可能性を検討』」とコメントしている。つまり、具体的な手続きには入っていないが、売却は既定方針ということのようなのである。
インターネット接続サービスを行う ISP 業界は、今厳しい状況にあるらしい。MM総研の昨年秋の発表資料によると、FTTH のシェアは NTT 東日本と西日本の 2社を合わせて 3分の2 以上を占めていて、ISP シェアもその勢いで NTT 系の OCN がおよそ 4分の1 のシェアをとっている。
ISP としての @nifty のシェアは、OCN、Yahoo BB、Biglobe、Plala、So-net、eo に次いで 7位に甘んじている。いやはや、驚いた。身売りの決まった Biglobe や関西電力系の eo の後塵を拝しているとは知らなかった。ニフティさん、よっぽどの営業下手である。
ユーザーのアクティブさでいえば、ニフティはかなり上位というか、もしかしたら最上位ぐらいにいるんじゃないかと思う。なにしろ @nifty は、インターネット以前の「パソコン通信」と言われていたネットワーク黎明期から、NiftyServe のブランドで、Biglobe の前身の PC-VAN と並び二強を形成した老舗である。
かくいう私も NiftyServe 時代からの 20数年来のユーザーだ。PC-VAN との二強時代でも、実際のネット利用でいえば、NiftyServe ユーザーの方がずっとアクティブと言われていた。今でも還暦を過ぎたニフティ・ユーザーは、ネットに関しては筋金入りと思って間違いないと言われるぐらいのものである。光回線と抱き合わせでいつの間にか OCN でつないでいるという素人とは、訳が違う。
それだけに、質の高いアクティブなユーザーを多く抱えたニフティがこんなにも商売下手とは、悲しい限りである。やっぱり親会社が企業ユーザー主体の富士通だけに、コンシューマー・ビジネスは苦手なのかもしれない。企業イメージも、どことなくもっさりしてるしね。
まあ、私としては従来のサービスをきちんと維持してくれさえすれば、ニフティがどこに身売りしようと一向に構わないと思っている。むしろ従来のもっさり感を脱して、アクティブ・ユーザーのニーズにしっかりと応えてくれるなら、歓迎というものだ。
いや、もしかしてコアなファンが潰しかけていたプロレス同様(参照)に、ISP もアクティブ・ユーザーに依存しすぎるとおかしくなってしまうのだろうか。
【追記】
NEC から Biglobe を買収した日本産業パートナーズが、ニフティと SONY の So-net まで買収して、経営規模を拡大したい考えと伝えられている。ふぅん、仮にこの 3つが合体するとなると、ブログサービスのウェブリブログとココログとSo-net ブログは、どうなるんだろう?
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