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2014年4月24日

セウォル号沈没事件で、韓国の対応が相当にずさんらしい

例のセウォル号沈没事件で、韓国側が日本の救助・捜索活動支援を断ったと報道され、「まったく、こんな緊急事態でも反日にこだわる韓国って、しょうがねえなあ」という論調が高まった。しかし私は当初、「それは断って当然だろう」と思っていたのである。

自国でなんとかできるなら、とりあえずはなんとかすればいい。韓国人で主力が組織される救助・捜索部隊の中に、言葉も通じない日本人が混じったら、混乱の元になりかねない。普通は丁重に断るだろう。

私自身、韓国に関してはいろいろと含むところがないではないが、今回の場合に限っては、そんなことまでいちいち取り上げて、嫌韓のタネにしなくてもいいだろうよと感じたのだ。それよりも、彼らの救助・捜索活動がうまくいくように、陰ながら祈っていればいい。

しかしどうやらこれは、私の買いかぶりだったようだ。韓国独自で遂行中の「救助・捜索活動」は、どうやら納得できるようなレベルに遠く及ばないようなのである。言葉は通じても、そもそも通じさせるべきまともな意図がなくて、みっともないほどの混乱を呈しているらしい。

日経ビジネスに趙章恩さんという在日韓国人のジャーナリストが、「セウォル号沈没事件で家族の悲しみが怒りに変わった理由 迷走する救難・捜索作業」という記事を書いている。(参照

この記事によると、救助・捜索活動を行うべき当局の能力不足は明白で、責任逃れに終始しているらしい。ニュースではダイバーが捜索活動に当たっているというが、それは被害者家族が動員した民間ダイバーだという。そればかりか、「生存者を捜索するためのアイデアのほとんどが、救助活動を指揮する海洋警察と海軍の救助隊ではなく被害者家族が提案したもの」というのだから驚きだ。

さらに、常識では考えられないことに、この事故の対策本部というのが、たくさんあるというのでる。ちょっと引用する。

現在、海洋水産部、教育部、仁川海洋警察、木浦海洋警察、西海海洋警察がそれぞれ、セウォル号事故対策本部を設置している。このほかにも、事故現場から最も近いペンモク港には 「事故対策本部」、安全行政部には 「中央災難安全対策本部」、被害者家族がいる珍島体育館には 「事故対策本部」、犠牲者の多いダンウォン高校がある安山市には 「合同対策本部」、安山市教育庁には 「対策本部」がある。

こんなにたくさんの「対策本部」があって、まともに系統だった指揮がとれるわけがない。さらに、これらの対策本部にはまともな責任者がおらず、スポークスマンもそれぞれの対策本部でコロコロ変わり、発表のたびに内容が変わるというのだから、一体何をどう信じていいいかわからない。

そしてその最高指揮官は大統領であるはずなのだが、パク・クネさんは乗船していたクルーの対応を「殺人に等しい」なんて非難するばかりで、自分には決して責任はないという立場のようなのである。

日本でも何か不祥事が起きる度に、その対応の稚拙さ(大阪の吉兆の例を思い出してもらいたい)が目立ったりするが、いくらなんでも、これほどひどくはない。韓国の被害者家族は、まさに怒りのぶつけどころさえ見つけられないという状況だろう。

これだったら、仮に日本の海上保安庁が仕切っていたら、こんなにもひどいことにならなかったんじゃないかと、勝手なことを思ったりするが、まあ、それはありえないだろうから、何とでも言えるけどね。

 

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