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2014年5月10日

ホテル昭和(甲府昭和インターすぐ近く)礼賛

とても不思議な魅力のホテルをご紹介する。中央道の甲府昭和インターから、車でほんの 1〜2分のところにある「ホテル昭和」だ。宿泊代はかなりお安くて、昨夜は楽天予約で、4500円で泊まった。これで無料の朝食バイキングまで付く。

「昭和」という名の通り、古色蒼然というほどではないが、古い造りのホテルである。向かいにそびえる全国チェーンの「スーパーホテル」と比べると、3階の低層建築で、しかもエレベーターがない。階段には「階段ダイエット」 なんて書かれた張り紙があり、それが嫌みに感じないのが、まず不思議である。

向かいの「スーパーホテル」は、実はメジャーなホテル・チェーンの中では私の最大のご贔屓である。しかし甲府に行く時だけはそれを無視して、こっちの「ホテル昭和」を選んでしまうのだ。

このホテル、部屋のドアはオートロックではなく、いちいち自分で鍵を閉めなくてはならない。どこを見ても、かなり時代がかった設備ではあるが、アメニティに至るまで過不足はない。テレビはシャープの Aquos で、ちゃんとした大きさのある画面。一応 BS 放送もみられる (WOWOW は映らないが)。それに、有線 LAN のほかに Wifi も無料で接続できる。

昨夜はチェックインの時にフロントで名を告げた時点で、「2度目のお泊まりですね」ということで、宿泊カードの記入は省略してもらえた。実はビジネスホテルでこんなことは、生まれて初めてである。他のホテルは何回リピーターとして泊まっても、チェックインで毎回宿泊カードに住所氏名を記入させられる。あの東横インでも、名前とカード番号を書かされる。

そしてフロントの女性が、マニュアル通りの接客というのではなく、フレンドリーな丁寧さ(機械的な慇懃さではないということ)とナチュラルな笑顔で接客してくれる。妙に愛想よすぎるというわけでもなく、対等な人間同士の関係という感覚が心地よい。

そしてこのホテルの一番の魅力は温泉である。この温泉設備も、やはり相当に古いのだが、不潔感は微塵もなく、何よりも泉質が素晴らしい。とても滑らかな弱アルカリ性の単純泉で、源泉掛け流しである。もちろん各部屋はバス付きだが、このホテルに泊まったら、温泉に入らない手はない。

大浴場はそれなりの広さもあり、水風呂、サウナ、さらに冷凍室(キーンと冷やされる)というのまであって、かなり癒やされる。ぽっかぽかに暖まって、部屋に戻り、寝心地のいいベッドで安眠できる。国道 20号線沿いではあるが、車の音がうるさいということもない。

こじゃれた雰囲気とか、ことさらな高級感とか、全国一律のマニュアル通りの安心感とか、無機質なまでの清潔さとか、そんなこととはまるで無縁だが、過不足のない快適さと、フレンドリーな笑顔、必要十分な朝食、素晴らしい温泉があれば、他に何が必要だろうかと思わせる。

ほとんど毎月泊まりがけの出張にでかけ、日本中のビジネスホテルに泊まっている私が言うのだから、信用してもらっていい。次に車で甲府を訪れることがあったら、是非またこのホテルに泊まりたいと思うのである。

 

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コメント

これはズバリ、名宿でげすね!
三階建てなら、高所恐怖症のあっしでもぐっすり眠れそうですし、こちらの宿をベースにして、にさんち、このあたりをぶらぶらしてぇでげす!
ホテル昭和、メモメモ…と。

投稿: 下衆兵衛 | 2014年5月11日 07:47

下衆兵衛 さん:

圧倒的なアドバンテージを前面にぐっと押し出すと、そのほかの要素はせいぜい平均とかそれ以下とかでも、「不思議な名宿」たり得るんですね。

そんなタイプのホテルです。

投稿: tak | 2014年5月11日 21:37

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