「ハンディドリップコーヒー」 という、実はうっとうしい商品
よく贈答品としていただくものに、コーヒーの粉を一杯分ずつ小分けにして、カップの上に直接セットできるような、紙製の仕掛けに入れたものがある。AGF の場合は 「ハンディドリップコーヒー」という商品名のようだ。
これ、はっきり言ってもらっても邪魔くさいだけだから、はなはだ恐縮ながら、すぐに他に廻してしまう。ウチはコーヒーをいれる時は、大抵 3〜4杯分ぐらいまとめて、コーヒーメーカーでいれる。1杯分ずつちまちまいれることは滅多にないから、こんなのは面倒なのだ。
ところが、うっかり他に廻すのを忘れていたのが棚の奥から見つかったりすると、これはもう仕方がない、しあさってに賞味期限が切れてしまうようなのを人にあげるわけにもいかないので、もったいないから賞味期限の 翌週ぐらいまでかけて、自前で消費する。
はっきり言って、表示された賞味期限が過ぎても、味はそんなに極端に落ちるわけじゃない。十分に飲める。ただ、味はそんなに変わらないが、いつもと違ういれ方になってしまうので、やはり面倒くささが先に立つ。
それに、写真の左上のように、たった 5杯分ずつ小分けされて入っているご大層なボール紙のパッケージをみると、なんとなくうんざりする。それを開けると 1杯分ずつ小分けされてプラスチックのパッケージに入れられたの(写真の真ん中下) が出てくるのだ。
さらにそれを開けるとようやく、写真の真ん中のようにカップにセットするための紙の器状のものに入っているのが出てくる。その過剰なまでの念の入りように接すると、こちらはどうも気持ちが落ち着かない。「たった 1杯のコーヒーのために、どんだけ資源を浪費してるんだよ!」と言いたくもなるではないか。
これって、普段はインスタントコーヒーしか飲まない人に、「たまにはレギュラーコーヒーを召し上がれ」と言って差し上げる類いの商品なのではなかろうか。ドリップするためのネル袋も、ペーパーフィルターも、サイフォンも持っていない人には、まあ、いいかもしれない。
ところがそんなのもらうまでもなく、いつもレギュラーコーヒーを自分のやり方で飲んでいる人には、「何を今さら」というようなことになるのである。
しかも普段インスタントコーヒーを飲んでいる人が、たまにレギュラーを飲むために、自分でわざわざこうした商品を買うことは滅多にないだろうから、どうしても贈答用の扱いになり、見栄え重視の過剰包装になる。要するに「なくても困らない商品」、「メーカーの押しつけ贈答企画」 ということができる。
そうしたものが、「なくても困らない」 どころか、「もらっても邪魔くさいだけ」 という人のところにまで贈られてしまうのだから、世の中というのは本当にままならない。ちょっと考えたら「こんな中途半端なモノ贈っても、あまり喜ばれないだろうなあ」 とわかるだろうに。
どうしてもこうした類いの商品を売りたいというなら、いっそ紅茶みたいにティーバッグ入りみたいな形が開発できないものかなあ。そうすれば、3〜4杯でも一度に入れられるし、資源の無駄遣いも少しは抑えられるので、贈答用ではなく、日常商品として展開できるだろうに。
【注】
ちなみに、ここでいう 「レギュラーコーヒー」 とは、UCC が作ったといわれる和製英語の 「いわゆるレギュラーコーヒー」 のことを意味しており、米国でいうところの "regular coffee" のことではない。念のため。(参照)
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コメント
これ 実は私には 無くてはならないものだったりするんですよ。
国内の宿泊施設で 客室にコーヒーを用意しているところって皆無じゃないですか( 高級なところならば あるのかもしれないですが、ビジネスホテルにしか泊まらないって事情が)。
なので チェックイン後に近所のコンビニでこいつを入手するのが私の習慣です。 電気ポット位はある程度のホテルならば大抵ありますから。
湯のみで飲むコーヒーってのも 旅先だとそんなに悪いものじゃないですよ。
TAKさんに これを贈る人って 暗に「もっと働け」と 言ってるのだったりして(笑)
投稿: Sam.Y | 2014年5月18日 18:26
Sam.Y さん:
東横インとかだと、ロビーでコーヒーを飲めますけどね。部屋に持ち帰ってもいいみたい。
確かに、部屋にコーヒーのあるビジネスホテルは、皆無ですね。
なるほど。
投稿: tak | 2014年5月21日 01:16