「カシージャス」か「カシーリャス」か?
今回のワールドカップでは、前回優勝のスペインが早くも一次リーグで消え去ってしまった。リーガ・エスパニョーラのファンで、スペイン・サッカーこそ世界最高峰 (最近はドイツが注目だが) と思っている私としては、かなり残念な思いである。とはいえ、リーガ・エスパニョーラで活躍している選手の多くが南米出身者なので、今大会での南米の強さが納得できるというものだが。
ところで、スペインのゴールキーパー、"Casillas" は、Wowow の放送では「カシージャス」という名前でお馴染みなのだが、NHK のワールドカップ放送では、「カシーリャス」となっていた。これ、どちらが正しいという問題ではないらしい。私は Wowow のおかげで、スペイン語の "lla" の発音は「ジャ」になると知ったが、どうやら方言によって「リャ」と読むこともあるそうなのだ。
ただ、最近では「ジャ」の方が圧倒的に優勢らしいので、私としては今後も「カシージャス」なのだと思うことにする。同様にチーム名でも、"Villarreal" は「ビジャレアル」だし、今季は降格が決まってしまったが、"Real Valladolid" は「レアル・バジャドリード」である。
ちなみにリーガ・エスパニョーラには「セビージャ FC」というチームがあり、今シーズンは 5位になっている。このチーム、原語の表記では "Sevilla Fútbol Club” だが、”Sevilla" というつづりを見て、何か思い出さないだろうか。できれば、スペイン、アンダルシア地方の有名な都市、「セビリア」を思い出してもらいたかったのだが。
「セビリア」は 歌劇『セビリアの理髪師』で、日本でもお馴染みの都市なのだが、原語では ”Sevilla" であって、ということは、そう、「セビージャ」のことなのである。”Sevilla" を「セビリア」と読み慣わしてしまったのは、我々の祖先の誤読なのだそうだ。
ただ、今さら「セビージャの理髪師」なんて言ってもイメージが狂っちゃうし、「セビーリャ」にはかなり近いから、放っておくしかないのだろうね。
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