「スリープオーバー」 という芸術鑑賞
Cube New York に「スリープオーバー」という芸術鑑賞企画が紹介されている。発端となったのは、ニューヨーク自然史博物館で、 6~13歳の子供たちと付き添いの親たちが、クローズした後の真っ暗な博物館内を懐中電灯を片手に探検し、持参した寝袋で館内に宿泊するという企画なんだそうだ。
これに刺激されて他の美術館も大人のための企画を進めている。もっとも注目されているのが、チェルシーにあるルーベン美術館の “The Dream-Over” という企画で、参加費用は 1人 108ドルもするのだが、毎回チケット完売の大人気なんだそうだ。
内容は、キュレーターが各ゲストのために作品を選び、ゲストはその作品の下で一夜を過ごすというもので、ゲスト同士で夢について話し合うグループ・セッションも行われるらしい。これ、なかなかいいかも。
好きな美術作品の下で一晩眠れるなんて、素敵じゃないか。これなら、私も一度体験してみたい。モネの睡蓮の大作の下で寝たら、さぞかし気持ちよかろう。それからアンドリュー・ワイエスの絵の下だと、すごくピュアな気持ちで目覚めそうではないか。長谷川等伯の屏風絵に囲まれて寝るのもファンタスティックだろう。
さらにミッドタウン・ウェストのブリル・ビルの地下で行なわれた演劇、“Dream Of The Red Chamber(紅楼夢)” というのもおもしろい。中国の同名小説はメリハリのない退屈なストーリーが特徴なんだそうだが、それに基づいて、美しく優雅な背景の中で、抑揚のないほのかなストーリーが展開されるというのである。
お客は演劇を観たりうとうとしたりするうちに、ぼんやりと時間を過ごせるというのがウリである。ここまでくると、ニューヨークという忙しすぎる街では、まったり過ごすというのが、非日常になってしまっているのかと、ある意味少し気の毒になる。
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コメント
おはようございます~tak-shonaiさんたのしい記事を
ありがとうございました。
アメリカという国は、っていうか、ニューヨーカーは
いつも変わったおもしろい何かを生み出しますね~
いいですね~
ベッドという喫茶店が今もあるかどうかしりませんが、
ベッドがたくさん置いてあって、そこで話し合いながらお茶をするなど・・・
色んな新しい遊びを考え出す人々は、大好きです。
投稿: tokiko6565 | 2014年7月 7日 04:47
tokiko さん:
パジャマパーティ会場って感じになっちゃいますね (^o^)
投稿: tak | 2014年7月 7日 15:39