個人情報は漏れるものである
例のベネッセの顧客情報流出の件である。当初は流出情報は約 760万件と言われていたが、今回捕まった容疑者は 2000万件以上のデータをダウンロードしていたという。私が驚いたのは、なによりまず、この数である。
日本の総人口は約 1億 2500万人といわれる。このうち、65歳以上の高齢者が 25%を占めるほどだから、子供の人口なんか、たかが知れている。昨年のデータによれば、0〜14歳の人口比率は12.9%である。高齢者のほぼ半分しかいない。まさに「少子高齢化」そのものである。
今回の流出データが 5〜18歳ぐらいの若年層のものと仮定すれば、まあ、だいたい 15%ぐらいなのかと想像され、計算すれば約 1875万人となる。とすると、ベネッセのもっているデータは、これを遙かに上回ることになる。
まあ、その中には子供の親と「昔の子供」のデータも含まれて、とりあえず役に立つ「今の子供」関連に絞れば、今回漏れた 760万ぐらいの数になるのかもしれないが、それにしてもものすごいデータ量である。日本中の子供の半分ぐらいは、ベネッセに情報を握られていると言っても過言ではないんじゃなかろうか。
ベネッセのデータは、教育関連のイベントに集まった子供たちに関する情報が多いらしい。だったら、それほどデリケートな情報は含まれていないだろうが、それにしても、ダイレクト・マーケティングを行うためには、名前、性別、年齢、住所がわかるだけでもとりあえずは十分だ。これに、得意科目や好きなスポーツ、趣味なんかの情報が加われば、かなり貴重なものになる。
子供に限らず、我々の個人情報なんて既に広く知れ渡っていると思って間違いない。だからこそ、あちこちからこんなにも DM が舞い込むのである。それも、ビジネス情報誌だの家のリフォームだの墓地だのの話ばかりで、最近は英会話教材みたいなものの DM なんか来なくなった。ということは、年齢まで正確に知られている。
こんな情報は、ネット販売のアカウントを作った時の情報を始め、商品購入の際に答えたアンケートなど、とにかくいろいろなところから漏れているのだろう。今回はベネッセみたいな会社から漏れているのだから、通販でものを買ったら大抵漏れると思った方がいい。
アンケートなどには、得た情報は他には出さないみたいな断り書きがあるが、そんなのはほとんど信用できない。この類いの情報は、漏れるものと思った方がいい。
ちなみに、今回の 760万件のデータは、大体 250万円ぐらいで買い取られたのではないかと言われている。相場は 1件 1円というところらしいが、今回は件数が多すぎて、しかもあまりデリケートな情報が含まれないとなると、この程度のようだ。今後請求される損害賠償額を考えると、まったく割に合わない犯罪である。
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コメント
あちらこちらに 書き散らしてしまってごめんなさい。(しかも 長いし、)
>まったく割に合わない犯罪である。
まさに そうなのですが、 とられた会社としてみても、たかだか 250万程度の価値しかない情報を集めて持っていたが為に 一件あたり 2000円として 150億もの賠償になるとすると まったく割に合わないというか、、、
今時 Bigデータとかなんとかもてはやされていますが 結局 企業もIT屋に踊らされているだけなんじゃないかとおもってしまいますね。
投稿: Sam_Y | 2014年7月21日 22:17
Sam_Y さん:
今頃寝ぼけたようなタイミングのレスをしてしまうことになり、ごめんなさい。
>今時 Bigデータとかなんとかもてはやされていますが 結局 企業もIT屋に踊らされているだけなんじゃないかとおもってしまいますね。
私もそう思います。大量のデータなんて、薄い水割りみたいなもんです。
投稿: tak | 2017年1月12日 21:52