七夕とお盆の季節感
今日は 7月 7日。新暦の「七夕」だが、空はどんよりとして時々小雨が降る。夜になっても天の川は見えそうにない。運転しながらラジオを聞いていたら、パーソナリティが「幼稚園の頃から、七夕の行事とかあったけど、必ず雨になってた」と言っていた。
それはさもありなんというところで、何度も書いているが、新暦 7月 7日の七夕というのはとんでもない設定なのである。というのは、本来の七夕は旧暦の行事なのだ。
私の故郷を初めとして東北では一般的に「月遅れの七夕」として、8月 7日が七夕祭りである。あの有名な仙台の七夕もそうだ。しかし本来はそれでも早すぎるぐらいのもので、旧暦の 7月 7日は、新暦の 8月の半ば以降になることが多い。なにしろ歳時記でも、七夕は秋の季語なのだから。
東北生まれの私なんぞは、東京に出てきて七夕が新暦で祝われるのを目の当たりにして、「梅雨も明けないうちの七夕では、織姫と彦星が気の毒すぎる」と思ったものである。本来の七夕の季節感は、立秋を過ぎて夕暮れが早くなり、暗くなったら少しは涼しい風も吹いて、夜空も澄み渡る頃というイメージなのである。
ところが、関東育ちの人間にとっての七夕というのは、全然違う季節感になっているらしい。「夏の初めに、短冊に願い事を書いて飾る行事」というのが、最大公約数的なところなんだそうだ。「夏の初め」というのが、私にとっては本当にびっくりである。
彼らに取っては幼稚園で短冊に願い事を書くというのがメイン・イベントだから、完全に昼間の行事になってしまい、「七夕」の「夕」という字の意味が消えてしまっている。なにしろ夏至のすぐ後で、いつまでも明るくてなかなか日が暮れないのだからしょうがない。これでは、歳時記が成立しなくなってしまう。
そういえば、お盆というのも関東では「新盆」というところが多いようなのである。7月の半ばにお盆をやってしまうようなのだ。そういえば最近、スーパーに行くとお盆のお飾り用の品物がずらりと並んでいる。
しかしお盆ばかりは 8月の「旧盆」が日本の主流であるようだ。関東の人間がどっと帰省する東北地方では、今でもほとんどが旧盆なので、「お盆休み」と言ったら大抵は 8月の休暇を指す。
それにあの原爆記念日と終戦記念日が 8月なのだから、現代の日本人の心情としても、お盆は 8月の方がしっくり来る。
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