国会や地方議会は、ガラもセンスも悪いものである
"国会セクやじ当たり前 「ある意味慣れっこ」" という日刊スポーツの記事を読んで、日本という国の政治は、ガラの悪い保守のおっさんと、お約束のステロタイプな文句を言うしか能のない野党と、それらを陰でコントロールする官僚とで成り立っているんだと、つくづく思った。
共同通信が衆参の全女性国会議員 78人にアンケートしたところ、12人が「女は黙ってろ」「離婚しただろう」などのヤジや暴言を受けたり聞いたりしたことを認めたという。ちなみに、記事の見出しにある「セクやじ」という略し方、あんまりいい感じじゃないなあ。
78人のうちの 12人だから、たったの 15%じゃないかと思われるかもしれないが、そもそも回答したのは 26人しかおらず、残り 52人は無回答なのである。たった 3分の 1しか回答が寄せられなかったのは、「言いにくい空気」によるものだろう。
とくに自民党所属の女性議員なんかは、自分が身内からのセクハラ野次は受けなくても、聞いたことはいくらでもあるはずなのに、やっぱりそうは言いにくいだろうから、ほとんどは回答していないんだろうなあと、確信できる。証拠はないけどね。
とにかく、セクハラ野次が常態化していて、「ある意味慣れっこ」になっているというのは、いくら何でも問題である。今どき、会社の会議でそんなことを言ったら大変なことになる。それが国会でなら見過ごされるなんてのは、国会議員、とくに保守系の多くが、いかにガラの悪いオッサンで占められているかを示すものだ。
野次られる方も問題である。そんなことに「慣れっこ」なんかにならずに、きちんと問題にすべきなのに、国会では今に到るまでそんな問題提起は一度もされなかった。お約束のステロタイプな反対意見ばかり言って、肝心な部分に注目しなかったというのは、あまりにもセンスが悪すぎる。
国会内で問題にしても、多分黙殺されるだろうが、今はネット社会なのだから、一言 Twitter に書くだけで、今回の都議会のように、ちゃんとした問題として取り上げられて、いわば「ポイント獲得」にもなる。女性国会議員の多くは、そういうセンスがないのだろうなあ。悲しいことに。
そして、こうした問題が起きても全然表舞台に登場しない官僚たちがいて、「ああ、くだらんことで時間つぶししてないで、粛々と案件を進行してもらいたいものだなあ」と、思っているわけなのだ。まあ、一番得な役どころではある。どこまで行っても無傷のままでいられるのだから。
とまあ、こんなことだから、政治への関心だって高まるわけがないし、投票率だって低いままだ。私だって、こんな世界に興味を抱くのは自分を卑しめることのような気がしてしまうのだが、それでもなんとか気を取り直して、選挙の度に投票だけはしているのである。投票なんて、気を取り直さずにはできるもんじゃないよ。まったく。
ところが、利権がらみのガラの悪いおっさん議員にしてみれば、投票率の低いままの方が楽に当選できるので、改めようという気にはならないんだろうなあ。そして、そのガラの悪いままでいる方が有利と思っているオッサンたちをガラの悪いままで当選させているのは、ほかでもない我々なのであるよ。悲しいことに。
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コメント
昔、自民党の有力議員の自宅へ仕事で行く機会がありました。
場所がわからなかったので、外から電話すると、“おう、おめえ、いま何処にいんだよ“ と言われて面食らったことがありました。
自宅を訪ねると、あいかわらずべらんめえ口調で、私をむかしからの子分のように私に話しかけてきます。そのバンカラさにはクラクラしましたが、帰る時には、人が変わったように紳士的な態度で私を送り出すんですね。これにはまたびっくり。
思わす、“ 人のこころを掴むのがうまいなあ “と感心しました。私は不快感は感じませんでしたが、政治家というのはこんなのりで、国会内でつい要らんことをヤジってセクハラ騒ぎになるんでしょうね。
今の世間のセクハラの定義は極めて広範囲で、相手の女性がセクハラだと感じればそればセクハラなんだそうです。
“今日の服はお似合いですね” もセクハラになるとある有名企業のマニュアルに書いてありました。
議員さんたちのいる場所には世間の風が吹き込んでいないんでしょうね。
投稿: ハマッコー | 2014年7月12日 01:14
ハマッコー さん:
その有力議員さんのようなタイプは、昔ほどではないですが、今もいますね。帰り際の丁寧なお辞儀も含めて。
ただ、このスタイルが通用する範囲は、どんどん狭くなっています。
女性に向かって気安く 「結婚しろ」 だの 「子供作れ」 だのは、私は恐ろしくて言えません。
この「恐ろしくて言えない」という感覚が通用する範囲もまた、私が思うほど広がってはいないようです。
「自分の子供に言うような調子で、他人に言ってはいけない」という指摘をネット上で目にしましたが、私はそんなこと、娘にだって言いません。
投稿: tak | 2014年7月12日 11:47