自転車で右側通行すると、交通事故で死ぬ確率が 2倍になる
先月の 20日と 21日に、自転車の右側通行が後を絶たないことについて述べた。
茨城県つくば周辺では、どうも「自転車は左側通行」という原則を知らない人が多いようなのである。それで、我が家の周辺の生活道路では、見かける自転車のほぼ 100%が右側通行なのだ。歩行者意識で自転車に乗っているので、あぶなくてしょうがない。
昨日付の中日新聞に、静岡県の今年上半期の自転車事故での死亡数が、昨年に比べて半減したという記事が載っている。これは、自転車の左側通行が徹底されたことによる効果と見られている。
自転車が右側通行すると、車の通行している道路の左側レーンを逆走することになる。これはかなり危ない。とくに狭い道で対向車がある場合は、逆走してくる自転車を避けるには、ストップするしかない。さらに暗い夜道で無灯火の自転車が逆走してくると、本当に「そんなに死にたいか!」と怒鳴りたくなるほど危ない。
また交差点などでは、自動車はまず、右を見て左を見、そしてもう一度右を見て安全確認するように指導される。まず右を見るのは、車両は左側通行なので、出会い頭の危険は右側から迫ってくることが多いためだ。ところが、自転車が右側通行すると、想定外の左側から突っ込んでくる。まさに「ヒヤリハッと」の典型例になる。
中日新聞の記事によると、交差点の出会い頭事故など、右側通行の自転車が起こした事故は前年比で 40.4%減少したという。これもまた、自転車の左側通行が徹底されたことによる顕著な効果といえるだろう。
つまりこれらのデータを逆からみると、自転車が右側通行すると、交通事故で死ぬ確率が 2倍になり、交差点で事故を起こす確率は 1.7倍になるということである。これはどんなに強調してもしすぎということはないだろう。
とはいいながら。やはり、こうした情報が全体に徹底されるということは期待できないと、私は思っている。経験則からして、情報を受け取らない層は決して受け取らないのだ。彼らは情報を「拒否」しているというわけでは決してないのだが、それでも届かないのである。先月 21日の記事に、私は次のように書いている。
「拒否」しているというわけじゃなく、「無意識だから届かない」のである。無意識だから、当然受け取るべき情報を自分はきちんと受け取っていないということに、気付いていない。だから、「あ、こりゃいかん」と反省することもできない。そしてその無意識さ加減は、命に関わる情報でも変わらないのである。
というわけで、こうした類いのことは、意識的に情報を受け取った者が、率先して気を付けるしかない。敏感な人が鈍感な人を守ってあげなければならないのである。そして鈍感な人は、敏感な人のおかげで死なずに済んでいるということにも、気付かない。こればかりは、もう、しょうがないのである。
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コメント
駅でのスマホ歩きも無くならないですね。
“死にたいのか”と思ってしまいますね。
ポスターと放送であれほど注意されてるのにです。
他人を巻き込んで大事故になって、巨額の賠償金を払うケースがまだないからかもしれません。そうなれば多少は減るかもしれません。
自転車については、一億近い賠償判決がでてるので、その影響が出て左側通行が遵守されるようになったのかも知れません。
投稿: ハマッコー | 2014年8月 7日 00:08
ハマッコー さん:
>自転車については、一億近い賠償判決がでてるので、その影響が出て左側通行が遵守されるようになったのかも知れません。
いやいや、そうした情報は 「届かない」 のですから、私の住むあたりでは、左側通行は全然遵守されてません。
困ったモノです ^^;)
投稿: tak | 2014年8月 7日 00:36
つい今しがた息子を保育園に連れて行った
ところですが、今朝も、右側を走行する
自転車何台かとすれ違いました。
右側走行で交差点に入り、そのまま右に曲がる
ものですから、左側走行を守っている人と
ぶつかりそうになってます。
今朝ではないですが、かつて目撃したことが
あるのは、自転車に乗りながら、イヤホンを
し、かつスマホをチラチラ見ているという
超危険運転です。それをスタイリッシュとでも
思っているとしたら、大変な思い違いですね。
投稿: hokkaidense | 2014年8月 7日 09:25
hokkaidense さん:
本当に困ったものですね。
自転車で右側通行する人は、そもそもアンテナが鈍いので、ちゃんと左側通行している方が道を譲ることになりがちです。
これはもう、きちんと取り締まってもらうしかないと思います。
投稿: tak | 2014年8月 7日 19:46
右側通行の自転車と向き合ったら?
「ぶつける」が私の方針です。正確には「ぶつける覚悟で道を譲らない」ですが。当然ですが怪我をしないよう速度は落としますよ。
私も知ってる方が気を付けるしかないかと思ってましたが、それでは一向に事態が好転しないので情報を無理にでも受け取らせてやる方向に転換しました。危ない目に合えば多少は調べもするだろうと。
実際にはぶつける前に留まり罵り合いになったりしますが大体わかってもらえます。
そのかいあってか(?)4年くらい前からは随分左側通行が増えましたね。まあメディアの力が大きいのでしょうが。
でも高校生くらいまではちゃんと話を聞くのに年を取るにつれ聞かなくなるのはどうなんでしょうね… 還暦過ぎた感じの人は絶対直らないですし(経験上)
投稿: gohanda | 2014年8月31日 13:26
gohanda さん:
私も、細い道では譲らずに、ぶつけるぐらいのぎりぎりのところで止まることがあります。
で、向こうがどかなかったら、思い切りクラクションを鳴らします。
投稿: tak | 2014年8月31日 18:42
takさん
コメントありがとうございます。
左側通行に関しては去年の十二月から右の路側帯走行は5万円以下の罰金になった時もホームセンターはもちろん自転車にも「こんなになったんできをつけましょう」といったようなポスターを見たことありませんし業界の問題意識が断然低いのが最大の問題でしょう。
私は自転車→車→バイク→自転車と乗ってきてまして、自転車の作法について聞かれるときは原付バイクの教本が一番参考になると答えています。この問題では公式の教本がないのが致命的なんですが原付の教本どおりでほとんどカヴァーできるのです。ただ一つ大問題があるんです。信号機です。歩行者用信号機には「歩行者・自転車用」と書いてますから自転車は車両なのに車両用信号機ではなく歩行者用信号機に従うのですよ。
このどっちつかづ感が法律でも設備でもなくなったとき問題が解決されるのでしょうが道は遠い気がします。
投稿: gohanda | 2014年9月 1日 21:35
gohanda さん:
フツーの自転車乗りは、原チャリに限らず、教則本なんて読まないと思いますよ ^^;)
情報が絶対に届かない人というのは、案外多いのではないでしょうかね。
投稿: tak | 2014年9月 2日 01:23