エルニーニョと季節感
先月 26日に、この夏に発生するとみられていたエルニーニョが、秋以降にずれ込む模様という記事を載せたが、さらに最新情報では、秋以降に発生する可能性も低くなっているようだ。
夏に発生すると聞いた時は、「久しぶりにしのぎやすい夏になりそう」と、内心喜んでいたが、あっさり裏切られた。さらに秋以降に発生するなら、「暖冬になるかも」と期待していたのだが、それもまた望み薄ということのようなのである。このところのエルニーニョ予想は、こう言っちゃナンだが、オオカミ少年みたいである。
もっとも、エルニーニョが発生しても、必ずしも冷夏や暖冬になるとは限らないようだ。2009年の夏から秋にかけて発生した時は、確かに 2000年代に入ってから最高の冷夏となった。
ところが 2012年の夏から秋にかけての発生では、西日本と北日本の日本海側で猛暑・暖秋となった。一昨年のことだから、まだ記憶に新しいだろう。私も、この年の 8月 末に北海道の小樽に行った時、32度を超える暑さになった。「北海道に行けば一息つける」と期待していたのに、「ちっとも涼しくないじゃないか!」とがっかりしたのを覚えている。
今年の夏も、エルニーニョが発生していたとしても、本当に冷夏になったかどうかなんて、誰にもわからない。案外猛暑になって当てが外れていたかもしれないし、西日本にいたっては現状でも雨が多くて、猛暑日が連続するほどには地面が暖まらない。自然現象というのは、なかなかわからないものである。
ところで前にも書いたことだが、今年は旧暦では「閏 9月(長月)」があって、つまり 9月が 2度あることになる。新暦でいえば、今年は 9月 24日の秋分から、11月 21日まで、延々と 2ヶ月近くも旧暦の 9月が続く。
旧暦の 9月といえば、季節感としては「晩秋」にあたる。旧暦というのはなぜか日本の季節感に沿うようにできていて、どういう理屈かはよくわからないが、閏月があると、その季節感が長く続く傾向がある。
そういえば、2009年のエルニーニョで冷夏になった時は、閏 5月があって、五月雨の季節、つまり梅雨がなかなか明けなかったのだった。今年、旧暦 9月が長く続くということは、晩秋を思わせる季節感が長く続くということになるのかもしれない。趣きのある秋になれば幸いである。
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