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2014年8月15日

原爆の悲劇を世界に知らせるための、ドンキホーテ的試み

産経新聞に「【鈍機翁のため息】」(「ドンキホーテの〜」 と読むらしい)というコラムがある。筆者は桑原聡という建築家で、ちょっと前まで雑誌『正論』の編集長も務めていたらしい。

私はこのコラムを全然意識していなかったのだが、8月 13日付の「間奏 II キホーテのような山本夏彦」というタイトルに釣られて読んでみた。「間奏 II」というのだから、「間奏 I」も当然あるはずで、それは前日の「間奏 I エノラ・ゲイ搭乗員の死」というものだった。

2回連続のコラムは、日本が独立を回復した昭和 27年の夏(この夏に私は生まれたのだがね)に発行された 「アサヒグラフ」に載った広島原爆投下直後の写真について、故・山本夏彦氏が昭和 54年に 「原爆記念日を期して私はこの写真を千万枚億万枚複写して、世界中にばらまきたい」 と書いたことを紹介している。

桑原氏が「夏彦がこれほど感情を露わにした文章を書くのは珍しい」と書かれているように、確かにいつもの山本夏彦節ではない。特別の思い入れを感じる。彼は次のようにも書いているという。

無数の航空機に満載して、いっせいに飛びたって同日同時刻、アメリカでヨーロッパでソ連で中国で、高く低く空からばらまきたい。

言うはやすく行うは難いと言うな。正体不明の航空機は撃ち落されるなどと言うな。その気があって万難を排せば出来る。『赤十字』のしるしをつけたらどうか。ただ日本人にそれをやる気がないだけである。

山本夏彦氏が、米国軍による広島、長崎への原爆投下に、尋常以上に強い憤りを覚えていたことを物語るものである。

考えてみればまさにその通りで、これは「過ちは繰り返しません」みたいなきれい事では済まない。今の世の中で、いくら戦争状態にあるとはいえ、10万人規模の民間人を犠牲にする原爆投下なんてことをやったら、国際世論でどれだけボコボコにされるか、一瞬でいいから考えてみるがいい。

山本夏彦氏の提唱した「写真を飛行機でばらまく」というアイデアは実行されなかったが、今の世の中にはインターネットというものがある。インターネットでの拡散を呼びかければ、彼の言った写真の多くは、世界中に見てもらうことができるはずだ。

というわけで、山本氏の遺志実現に曲がりなりにも協力する意味で、原爆写真のグーグル検索結果に飛ぶためのリンクページを作成してみた。下手に編集するより、検索結果を生のままで出す方がいいと思ったので、あえてシンプルなものにした。

世界中にみてもらうためなので、説明は英語で書かれている。原爆の悲惨さを訴求する画像ページは決して少なくないが、終戦記念日の今日、私のサイトもその中の一つとして連なろうと思う。

こちら をクリックすると、そのページに飛ぶ。よろしければ、拡散にご協力いただきたい。

 

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