« モンティ・パイソン復活ライブと、世界一おもしろいジョーク | トップページ | 低反発素材を使った製品を巡る冒険 »

2014年8月28日

コーチと監督

スポーツの指導者の呼称は、ローカル・ルールと国際基準が入り乱れてしまっている。まあ、通常はそれでも支障がないからいいのだが、翻訳を生業とする人はちょっと困ってしまうだろうと、余計な心配をしている。

例えば、野球の監督は、英語では manager(マネージャー)である。ところが、日本の野球はベースボールとは異なった世界を構築していて、マネージャーといったらおにぎり 2万個作る人のことになってしまう。彼女のことを英語で監督と間違われないように紹介するには、何といったらいいのだろう。

スポーツ・チームの監督の役割をする人は、普通は coach(コーチ)である。バスケットボールでもフットボールのナショナルチームでも、日本で「監督」と呼ばれている人は英語では coach という肩書きで紹介される。

コーチが複数いる場合は head coach が、いわゆる「監督」に相当する。Maneger と呼ぶ野球の方が、ずっと少数派のはずだが、日本では一番偉い人を「コーチ」と呼ぶことはまずない。

「コーチ」というのは、外来語として十分に定着しているのだが、日本では外国から入ってきたスポーツとして野球が最もメジャーになってしまったもので、どうしても一番偉い人は「監督」と呼ばないと気分が出ないということになっているようなのだ。

そんなわけで、アギ—レさんも、本来は coach なのだが、どの新聞を見ても「コーチ」ではなく、「監督」として紹介されている。コーチと呼ぶと、野球の世界に馴染んだ日本人には、格下の人と思われてしまうのだろう。

 

|

« モンティ・パイソン復活ライブと、世界一おもしろいジョーク | トップページ | 低反発素材を使った製品を巡る冒険 »

スポーツ」カテゴリの記事

コメント

私の愛するラグビーでは、日本代表を指揮するのは「ヘッドコーチ」ですが、前は「監督」と呼ばれていました。2005年にフランス人(初の外国人指揮官)が就任してから「ヘッドコーチ」と呼ぶようになったみたいです。

国内のトップリーグ(かつてのいわゆる「社会人」)では、ヘッドコーチ/監督が混在していて、しかもそれが両方いるチームもあります(^^;(監督の方が上みたいです)


投稿: 山辺響 | 2014年8月29日 15:19

「おにぎり2万個作る人のことを英語でなんと言ったらいいか」
…グランドマザーならぬ、グラウンドマザー、ってのはどうでやんしょ?
これなら、どこにも角がたたないと思いやすが…(^-^)。

投稿: 池波下衆兵衛 | 2014年8月29日 22:30

山辺響 さん:

やっぱり、野球(ベースボールではない)の影響は大きいと思います。
正岡子規の影はここまで来ているかと (^o^)

投稿: tak | 2014年8月30日 14:56

池波下衆兵衛 さん:

「おばあさんじゃないわよ!…… ん?……『グラウンド』か …………………… お母さんじゃないわよ!」
「せめて、『おねえさん』にして!」

という声が上がりそうですが、グラウンドシスターでは、洒落にならないし。

やっぱり「グラウンドマザー」でしょうかね (^o^)

投稿: tak | 2014年8月30日 15:03

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: コーチと監督:

« モンティ・パイソン復活ライブと、世界一おもしろいジョーク | トップページ | 低反発素材を使った製品を巡る冒険 »