行列を作ってまで新製品を買う、新たな理由
今月 19日付の 「iPhone 6 を買うための行列」という記事で、私は、話題の新製品の発売開始日に行列ができるのは、企業が行列要員のバイトを雇って並ばせることもあるからだと指摘して、次のように書いた。
企業がバイトを雇ってまで長い行列を演出したがるのは、それが大変な宣伝になるからだ。とにかく長い行列ができれば、テレビや新聞がこぞってニュースにしてくれる。広告料に換算したら、何億円の効果があるか知れない。それに要するバイト料なんて安いものである。
しかし世の中はさらに進化して、次のステージに進んでしまったようなのだ。発売元の企業とは無関係のところからバイト代をもらって行列に並ぶという新しい現象が発生しているのである。
例の iPhone 6 の発売開始日、世界中の Apple Store 前で、中国人の異常なまでの行列が発生し、周囲の顰蹙を買ったらしい。Gigazine は、「iPhone 6を購入するために大勢の中国人がニューヨークの Apple Store 前に集結、やりたい放題の末に最後は iPhone を闇市に流した模様」 と、日本語解説付きのビデオで告げている。
iPhone なんかには何の興味もなさそうな、中国人のオカンやオッサンたちが、発売日の 2日も前から大挙して Apple Store 前に並び、通りをゴミだらけにして、あげくには喧嘩騒動まで引き起こし、ようやく 2台の iPhone 6 (判で押したように 1人が 2台買っていたらしい) を入手すると、そのまま元締めに製品を渡して現金を受け取っていたというのである。
似たような騒ぎは日本でもあり、並んだ行列に中国人が集団で割り込みして騒動になるという事件を引き起こしていたようである (参照)。まあ、こう言っちゃナンだけど、中国の人たちって、割り込みするのは当然と思っているフシがあるからね (参照)。
今回の世界各地でのトラブルは、iPhone 6 の発売日が未定の中国で高値で横流しするために、各国にいる中国人ブローカーが暗躍したようなのだ。中国でも、話題のアイテムはいち早く入手したいという、金に余裕のありすぎる連中が増えているのだね。そして今回のケースに限っては、Apple としては行列要員なんか雇う必要なんてさらさらなかったわけだ。
こまでくると、長い行列を作ってもらってマスコミの記事にしてもらい、新製品のキャンペーンに最大限に利用するというパブリシティ戦略は、もう風化しつつあるとみてもいいだろう。下手すると、逆効果でイメージダウンになってしまう。
Apple としては、次の iPhone 発売日には、何か対策を考えるか、あるいはまったく別のシステムで販売するしかないんじゃなかろうか。
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コメント
今回のiPhone6騒動(もはや騒動とも呼べないくらい陳腐化してきましたが)で一番面白かった話……できすぎていて、本当かどうかは怪しいものですが(笑)
https://twitter.com/saharabingo/status/512609944869142528
投稿: 山辺響 | 2014年9月22日 17:57
山辺響 さん:
デング熱ウィルスをもった蚊を放たれそうなお話 ^^;)
投稿: tak | 2014年9月23日 01:59