日本人の新聞への信頼度が、ようやくフツーの先進国並みに下がる
2010年の「世界価値観調査」で明らかになった日本人の新聞に対する信頼度は、「非常に信頼する」と「やや信頼する」を合わせて 70.6%にのぼったというのが、今さらながら話題になっている(参照)。これは先進国の中では断トツに高い数字であるらしい。
同年に行われた電通総研のメディア信頼度についての調査でも、日本人の 72.5%が新聞や雑誌を信頼しているという結果が出ている。これは、アメリカの 23.4%、ドイツの 28.6%、フランスの 38.1%、イギリスの 12.9%と比較すれば、ものすごい数字であることがわかる。
日本の「メディア情報鵜呑み度」がこんなにも高いのは、「日本人は情報の取捨選択を行う訓練を受けていないから」というのが理由だと言われてきた。しかしこれは、もっともらしいが、「ちょっと待てよ」と言いたくなるお話だ。というのは、日本のマスメディアには「取捨選択」して意味があるほど、多様な価値観による情報発信があるとは思われないからだ。
大手マスコミの情報は、ほとんど「どれをとっても大した違いがない」ものでしかない。ちょっと「違いを感じさせる」のは政治的な記事で、今回問題になっている朝日の「従軍慰安婦記事」はその典型だ。しかしこれが報道された当時は、朝日の報道を真に受けるのが「正しい進歩的文化人」の姿で、それに異を唱えたら「右翼」扱いされていた。
当時の世の中では、朝日の報道を「鵜呑み」にせず、今から思えば「まともなこと」をまともに主張してしまうと、大音響の街宣車で走り回る人たちと同じ扱いをされかねなかったのである。なるほど、それまでに「メディア情報鵜呑み度」が高い国だったのである。
皮肉なことに、メディア情報を鵜呑みする傾向が最も高かったのは、最も「情報の取捨選択を行う」ための訓練を受けていたはずのインテリたちだったのだ。というか、朝日的メディアと、進歩的文化人といわれる人たちが、同じ価値観をもって「政府の暴走をチェック」しているつもりになっていたのである。
こういう構造だったら、そりゃもう、「メディアを信頼」しちゃうよね。ある意味、運命共同体みたいなものなんだから。
ところがその後の調査で、こうした傾向が崩れ始めていることが明らかになっている。「経済広報センター」が昨年 8月に発表した「情報源に関する意識・実態調査」によると、新聞を「信頼できる」と答えた人が、ようやくというか何というか、60%を割り込んだのである(参照)。
この調査では、新聞への信頼度は常に 70%以上をキープしていたのだが、2012年に 68.9%となり、昨年は 57%にまで落ちた。今年の結果は、私はまだ知らないが、いずれにしても、例の朝日の誤報問題が反映されるのは来年の調査になるだろうから、まあ、1年待てば惨憺たる数字になるだろう。
とはいいながら、ようやく「普通の先進国並みの数字」になるだけのことなのだが。
| 固定リンク
「ニュース」カテゴリの記事
- 音楽準備室って、音楽教師の「別荘」みたいなものだから(2026.07.03)
- 「ソナエルジュ」なんて、誰が言うんだ?(2026.06.13)
- 先週の「ドジ大賞」以上の「超ドジ」かも・・・(2026.06.05)
- 猛暑の場合は郵便物配達休止って、当然だと思う(2026.06.02)
- 大麻入りバッグをパチンコ屋に置き忘れる「ドジ大賞」(2026.05.29)







コメント
しかし朝日新聞に対する信頼度"だけ"が大きく下がっている印象なので、この国の人々のメディアリテラシーは所詮その程度なんだなって感じです。
投稿: 通りすがり | 2014年12月28日 23:12
通りすがり さん:
>しかし朝日新聞に対する信頼度"だけ"が大きく下がっている印象なので
本文でも書いているように、新聞への信頼度が 57%にまで落ちたのは、朝日が「従軍慰安婦問題」で自ら誤報と告げる以前の、昨年だったのですから、それは当たらないです。
朝日への信頼度が「大きく下がった」ことによる結果は、来年発表されるでしょう。
投稿: tak | 2014年12月29日 00:21