カタルーニャの独立機運
スコットランドの独立は否決されたが、スペインのカタルーニャは、11月 9日に独立の是非を問う住民投票を実施することになったという。これに関する関連法案を、カタルーニャ自治州議会が可決したのである。
ところが、スペインの中央政府はこれを「違憲」として、憲法裁判所に訴える方針であるらしい。見たところ、スコットランドよりはカタルーニャの方が独立機運が高いようなので、中央政府はその動きを何とかして抑えたいのだろう。
言うまでもないが、カタルーニャの住民も独立賛成派ばかりではない。中には「自治州が独立のための法整備をするのは違法であり、米国の州が合衆国憲法を無視して勝手な州法を作るようなもの」と言っている大学教授もいるらしい。
しかしよく考えてみれば、そんなことを言うなら、憲法に「植民地と構成自治体の独立は認めない」なんていう条文を作ったら、あるいは、独立の手続きなんて無視して、一切言及せず、「そんなことはあり得ない」という態度に徹したら、その国では憲法改正か独立戦争をしない限り、永遠に独立できないことになってしまう。
しかし独立なんていうのは、早く言えば、独立宣言をして、他の多くの国からそれを認めてもらいさえすれば果たせるのだ。それは、クリミアの独立がウクライナ憲法に違反するから認められないなんて言っても、ロシアとしては強引にやっちまえば何とかなると思っているようなものである。
つまりカタルーニャが本気で独立しようというなら、独自外交をして、独立の国際的支持を獲得するのが先決だ。十分な準備と根回しをして、その上で独立宣言すればいい。ただし、それには長い時間がかかるだろう。
それから、もしカタルーニャが独立するとしても、サッカーのリーガ・エスパニョーラは名前を変えて連合リーグとしてでも、とにかく存続させてもらいたい。
英国のように、プレミア・リーグがそれぞれの国にあって独立しているなんてことになったら、バルサ対レアル・マドリードの「クラシコ」(伝統の一戦)がなくなってしまう。それはあんまりだ。
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