今年は秋が早く来ているが
先月末は「もう、夏は終わったね」と言いたくなるほど秋の気配が漂っていたが、月が変わってからは急に暑さがぶり返している。急に夏が戻ってきたような蒸し暑さだ。とはいえ、日が暮れてしまえば涼しい風が吹き始め、寝苦しい熱帯夜を過ごすなんてことはない。
去年と一昨年は、9月の声を聞いても猛烈な暑さが続いた。昨年の気象データをみると、9月の東京の平均気温が 25.2度となっている。念のために断っておくが、これは最高気温の平均ではなく、一日を通じた平均気温である。ちなみに 9月の最高気温は 35.7度という、思い出したくもない数字が残っている。
とにかく、去年は(一昨年も)「いつになったら安眠できるんだ?」と言いたくなるほど、9月になっても 10月になっても暑さが続いた。それを思えば、今年は確かに秋の訪れが早い。
ここで思い出してもらいたいのが、今年 8月 18日付の「エルニーニョと季節感」という記事だ。この記事の中で、私は次のように書いている。
今年は旧暦では「閏 9月(長月)」があって、つまり 9月が 2度あることになる。新暦でいえば、今年は 9月 24日の秋分から、11月 21日まで、延々と 2ヶ月近くも旧暦の 9月が続く。
旧暦の 9月といえば、季節感としては「晩秋」にあたる。旧暦というのはなぜか日本の季節感に沿うようにできていて、どういう理屈かはよくわからないが、閏月があると、その季節感が長く続く傾向がある。
そういえば、2009年のエルニーニョで冷夏になった時は、閏 5月があって、五月雨の季節、つまり梅雨がなかなか明けなかったのだった。今年、旧暦 9月が長く続くということは、晩秋を思わせる季節感が長く続くということになるのかもしれない。趣きのある秋になれば幸いである。
これを書いた時点では、単なる「希望的観測」で、「当たるも八卦当たらぬも八卦」みたいなつもりだったのだが、本日現在、既にずいぶん秋らしくなっている。
去年の 9月 6日は、旧暦ではまだ 8月 2日だった。ところが今日は旧暦では既に 8月 13日になっている。ということは、我々は知らないうちに、昨年対比で半月近く先の季節感の中にいるのだ。新暦で暮らしているから、それにピンと来ないだけのことである。
日本の季節感をよく表すといわれる旧暦の進行が早いのだから、季節の進行が早くても不思議はない。いや実際は、旧暦の進行の方が、季節に引きずられているという方がいいのかもしれない。
これだけ秋が早く来ているのだから、晩秋だって長引いてもおかしくないという気がする。おもしろいことに、閏月はどこにはさんでも帳尻は合うはずなのだが、9月と 10月の間にはさむというのは、それ相応の必然性があるのである。梅雨が長引いた 2009年は、閏 5月があったように。
さて秋分以後の天候がどんな推移となるか、楽しみである。本当に今年の晩秋が長ければ、私の旧暦重視主義にはますます筋金が入るだろう。
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