iOS への忠誠度が低下?
ちょっと古い記事で恐縮だが、「iOS 8 へのアプデ率、iOS 7の半分以下に」という情報がある。Fisku の調査によると、iOS 8 のアップデート配布開始後 20時間における、アップデート適用率は、iOS 7 が 18.49%だったのに対し、iOS 8 は 8.73%と半分以下に留まったのだそうだ。
元々、iOS のアップデート率は、Andoroid とは比較にならないほど高くて、OS への忠誠度に圧倒的な差があると言われていた。ところが今回の情報をもって、iOS への忠誠度、ひいては Apple に対する信頼が低下したと指摘する人もいる。
かくいう私も iOS 8 は 5日遅れでアップデートした。先月 23日の記事(参照)で、「リリース直後は間近に出張を控えていたので、焦ってアップデートして不具合でも出たら嫌だなと敬遠して、帰ってきて落ち着いてから、満を持して行ったわけである」と書いている。
私としては、これは正しい態度だったと思っている。新 OS がリリースされてすぐに、「待ってました」とばかりアップデートするのは、「高すぎる忠誠度」というものじゃなかろうか。iOS 7 でも十分に便利だったのだから、焦る必要はない。とくに最初はサーバも混み合うしね。
実際に iOS 8.01 へのアップデートでは不具合が出まくったという事実があるが、呑気に構えていた私は、この被害には遭わずに済んだ。OS のアップデートで先頭を切るのは、やはりリスクが伴う。様子を見てからでも決して遅くない。それに私は、8.0 にアップデートして、すぐにまた 8.01 にするほど暇じゃない。
それに、iOS への「忠誠度」というものが低下するのも仕方がない。ちょっと前までは、いわゆる「先進的ユーザー」を中心に普及率が高まっていたが、ここまで普及すると、iOS なんてものを全然意識していない iPhone ユーザーだっていくらでもいる。
近頃、企業が従業員に iPad を配布して、強制的に社内のシステム化を進展させる動きがある。いろいろな資料を印刷された紙という形で配布せずに、ネットからダウンロードさせたり、営業先でのプレゼンや契約書作成、在庫確認なども iPad で行うようにするというようなものだ。
そのやり方にすぐに馴染むのは、自分のプライベート iPhone を持っているような社員である。バッグの中にいろいろな書類や資料を持たなくていいので、楽になっているのだろう。一方、ガラケーしか使っていないタイプのオジサン社員は、なかなか馴染めないらしく、「ペーパーレス会議」 なんかでも、戸惑いっぱなしのようだ。
こうしたオジサンたちが持たされている iPad の画面をみると、あちこちに未読や未更新の赤い数字がどっさりついていて、メールをあまり確認していないどころか、Cybozu で送られた情報もちっともチェックしていないし、アプリのアップデートなんて、何のことか理解すらしていない。
「アプリのアップデートは、こまめにしといた方がいいですよ。たまってからまとめてやると、えらく時間がかかっちゃいますから」とアドバイスすると、「それって、何ですか?」なんて、今さらのように寝ぼけたことを言う。こんな人たちがどんどん増えているのだから、iOS のアップデート率なんて、落ちて当然だ。
私はちょっと前まで 「PC の時代は終わりを告げつつあり、今後は iPhone、iPad などの、スマホ、タブレットの時代になる。PC に四苦八苦しているオジサン、オバサンも、これで楽になるだろう」と思っていた。ところが、これはどうやら楽観的すぎたようだ。
「PC を使えない人でも、タブレットなら使えるだろう」というのは幻想で、実際のところは「家庭用 FAX の送受信がようやくできる程度の人にタブレットなんかもたせても、まともに使いこなせるはずがない」というのが現実のようなのである。そりゃそうだよね。
ただ、iPad を使えない人でも、私が戸惑いっぱなしのビデオの予約録画をすいすいこなせたりするのである。iPad を使えるようになるかどうかというのは、結局のところ、テレビよりインターネットの方がずっとおもしろいということに、実感として気付いているかどうかにかかっているのではないかと思うのである。
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