朝日 OB の、大学の先生
慰安婦問題に関する記事を書いた元朝日新聞の記者が、教授やら講師やらとして勤務する大学に、「辞めさせないと学生に危害を加える」という脅迫状が届いているという。このニュースに、私はかなり驚いた。下手な戦略だと思う。そんなことをしても、逆効果の方が大きいだろうに。
帝塚山学院大学の方では、朝日 OB の教授が脅迫状が届いた日に自ら辞職したと伝えられた。しかしもう一人の OB が非常勤講師を務める北海道の北星学園大というところでは、この講師を解雇しないよう同大を応援する 「負けるな北星!の会 (マケルナ会)」 なんていうのができて、ややこしいことになっている(参照)。
まだ残っている北星学園大の講師は、当初、吉田証言に基づいて最初に慰安婦問題の記事を書いたとされた元記者で、帝塚山学園大の方で既に辞職したのは、よく調べたら、実はその前に書いちゃってたという元記者だという。名前を出してもしょうがないから、敢えて出さない。
私は個人的には、「こんなとんでもない誤報を書いて 30年ものうのうとしていたオッサンが、大学で教鞭を執るなんて、なんだかなあ」と思う。だから、そんな人を教授やら講師やらとして雇っている大学に抗議文を送るぐらいのことなら、十分「あり」だと思う。
しかしだからといって、「辞めさせないと学生に危害を加える」なんて脅迫するのでは、誤報を書いた元記者以下のレベルのお話に堕してしまう。さらにそんなことをされたら、大学側としても動きが取れなくなる。
もし私が大学側の理事かなんかだったとしたら、ここはドライに辞めさせるべきだと判断するだろう。 ただでさえ学生数が減って経営が苦しくなるという時期に、こんな問題の人を講師にしていたんでは、評判が落ちてますます受験者が減ってしまうだろう。これは妥当な経営判断である。
しかし今のタイミングでクビにしたら、大学が脅迫に屈してしまったと受け取られ、それが既成事実になりかねない。そういうわけにもいかないから、辞めさせたくても下手に辞めさせられないというジレンマに陥ってしまう。その上、妙な応援団ができてしまっては、ますます進退窮まってしまうじゃないか。
行き過ぎた行動は、逆効果を生むのである。
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コメント
少し遅いタイミングでのコメント申し訳ありません。
この手の脅迫って実は「巧妙」なのではと勘ぐってしまいます。
ご指摘の効果(大学の動きを封じ込める)とともに、批判する人たちはこんなに野蛮な人たち、というラべリングもできるので。
投稿: tetoo | 2014年10月 8日 15:25
tetoo さん:
うぅむ、それもないとは言い切れませんけどね。
でも、もう一方の方は自分で辞めちゃったわけだし、諸刃の剣で、リスクの大きすぎる作戦なんじゃないでしょうかね。
投稿: tak | 2014年10月 8日 19:48