Windows 4, 5, 6 は、登場しなかったのか?
昨日の記事で、Windows の次期バージョンが "Windows 9" ではなく "Windows 10" になるということに触れたが、この件に関して、私にはちょっとした疑問があった。"Windows 9" は世に現れることなく葬り去られる 「幻の Windows」ということでいいのだろうが、それでは、Windows 1, 2, 4, 5, 6 はどうなっているんだろう?
ちょっとググったところ、英語のページ(参照)が見つかり、いろいろな解釈があるらしいことがわかった。要するに決まった見解はないみたいなのである。「Windows 4 は 95 で、5 は XP だった」とか、「Windows NT が 4 だった」とか、いろいろなことが言われている。なんだ、MS も案外テキトーだなあ。
Windows が日本に「メジャーな OS」として登場したのは、Windows 3.1 が最初だった。Windows 3.0 というのもちゃんとあったらしいが、3.1 に至って日本で大きく普及したのは、DOS−V マシンの登場とタイミングが合ったためなんだろう。
私が初めて自分の PC として購入したのも、この Windows 3.1 マシンだった。ちなみにハードディスクは 「420MB の大容量」 という触れ込みだった。遙か遠いことのように感じるが、思い起こせばたかだか 20年前のことにすぎない。その前は、会社では MS-DOS マシンをひいひい言いながら使い、プライベートではワープロ専用機(そんなものがあったのだね)の OASYS を使っていた。
じゃあ、Windows 1 と 2 はどうなっていたのかというと、そこはそれ、ちゃんとあった。Wikipedia によると、「日本では MS-DOS Ver. 3.1と共にバンドル OS として NEC 製パソコン PC-9801VX4/WN に採用され、1986年 12月に発売された」とある(参照)。
要するに、MS-DOS のシェルのような形で展開されていたもののようで、Windows 2 というのは、ウィンドウを重ね合わせて表示できるようになったという程度のものだった。DOS のシェルという基本は Windows 3.1 まで変わらずに続いた。
この流れでいえば、3.1 の次に出された Windows 95 というのが、”Windows 4" にあたるものだったといっていいだろう。これは、MS-DOS の上で働くシェルという基本構造から脱却して、初めて自立した OS として開発されたものだった。
その後の進展についていえば、Windows 98, 98 SE, 2000 というのは、独自の名称は与えられているものの、基本的には 95 (つまり Windows 4) のバージョンアップ版と考えていいのかもしれない。 一方では Windows NT が Windows 4 だとか、5 だとかいう議論があるが、面倒くさいし、どうせ MS 自身が案外いい加減みたいなので、敢えて深くは突っ込まない。
個人的な印象で言えば、98 SE までは動作が不安定ですぐにフリーズしてしまっていた。込み入った作業をする時は 15分に 1度は保存ボタンを押さないと、作業内容がいつぶっ飛んでしまうかわからず、これはかなりのストレスだった。
Microsoft としては、Windows 2000 まではホームユースの OS という位置づけだったので、安定性なんてあまり重視していなかったのかもしれない。その裏にビジネス向けとして Windows NT 系を展開するという姿勢だった。そして Windows 2000 で NT系と統合されるという触れ込みだったが、それは中途半端に終わった。
Windows NT は、勤務先でしばらく使ったことがある。基本的にはホームユースでしかない 9X 系とは比べものにならないほど安定していた。とはいえ「フリーズしにくい」というだけで、マルチメディア対応は Windows 95 ぐらいのレベルで、USB も使えなかったし、ものすごく地味な OS という印象である。
それで、9X 系と NT 系との統合が実現した Windows XP は、まさに画期的だったわけである。Windows 2000 も、それまでの 9X 系ほど簡単にはフリーズしなくなっていたが、XP の安定性は確かにレベルが違っていた。その上マルチメディア性能も高かった。
ただ、この辺が一番ややこしい時期なのだが、Windows NT を Windows 5 と規定すれば、XP は Windows 6 ということになり、そうでなければ、5 ということになる。まあ、どうでもいいや。
仮に XP が Windows 5 だったとすると、Windows 6 は、あのショボい Vista でなければ辻褄があわない。Vista は、いろいろな新機能が実現されたという触れ込みだったが、どれも中途半端で使い物にならなかった。ただ使い物にならなかったとはいえ、新機能は新機能なので、一応 "6" でもいいような気がしないでもないが、まあ、どうでもいいや。
その後は、ご存じの通り、すっきりと Windows 7、8 が続き、9 をすっ飛ばして 10 に至るということのようなのである。未確認情報だが、Windows のメジャーなアップデートは 10 で終了するというようなことも言われている。これ以上大幅にいじったら、また Windows 8 みたいなことになっちゃうだろうから意味がない。
そうなったら、まさに「PC の時代の終わり」ということになるのだろう。"Windows 11" にしなかったのは、そういう意味合いなのかもしれない。切りのいいところで終わるというわけだ。
【10月 3日 追記】
もりけん さんが付けてくださったコメントのおかげで、Windows 7 とか Windows 8 とかいうのは、バージョン・ナンバーじゃないということがわかった。例えば Windows 7 は、バージョンでいえば、6.1 で、Windows 8 は 6.2 なんだそうだ。
なんとまあ、ややこしいというか、紛らわしい。これについては、3日付で改めて論じる。
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コメント
IT業界の端くれで飯を食っている者から、ちょっと一言。
Windowsのバージョンは、Windows 3.1以降、Windows9x系がバージョン4.0、Windows2000で5.0、Vistaで6.0となり、その後の7や8では、バージョンはそれぞれ6.1、6.2という位置づけで、Vistaがベースになっているマイナーチェンジみたいなものです。
ちなみに、XPはバージョン5.1で、Windows2000ベースのOSということになっています。
次期WindowsがVistaを踏襲した6.xになるのか、新規バージョンとして7.0になるのかはわかりませんが、もしもマイナーチェンジレベルで出してくるのであれば、MSとしてはもう、OSのバージョンアップというものは本当に終えることになるのかも知れませんね。
投稿: もりけん | 2014年10月 2日 23:24
もりけん さん:
あっと驚く真相を教えてくださいまして、ありがとうございます。
なんとまあ、Windows 7、8というのは、バージョンナンバーじゃなかったんですね。
それにしても、紛らわしい名称のつけ方だと、驚きが通り過ぎて呆れてしまいました。
投稿: tak | 2014年10月 3日 15:26