警察をおちょくったら、謝りにきてくれたというお話
「へえ、警察をおちょくると、怒られるどころか、わざわざ謝りに来てくれるんか!」と、びっくりしてしまったニュースがある。"兵庫県警が誤認逮捕 片言で「コンテナで韓国から来た」逮捕後「実は日本人です」" というものだ。
兵庫県警尼崎署の署員が今月 25日の夜中 2時 50分頃、市内のスナックからの「無銭飲食の男性客がいる」との 110番で駆けつけると、3人連れのうち 1人が身分証明を持っておらず、片言の日本語で「韓国からフェリーのコンテナに入って来た」と話したという。
というわけで、そんな夜中から夜が明けてしまうまで 5時間近くも、何があったんだかニュースでは全然触れられていないが、午前 7時半頃に任意同行を求めて事情聴取をし、身元がわからないまま、8時 20分に入管難民法違反(旅券不携帯)容疑で逮捕したというのである。
ところが逮捕直後にその男が、「実は日本人です。嘘をついてすみません」と名前を告げ、母親に連絡したところ、日本人と確認されたので、即刻釈放した。そしてその日の昼前に、警察の幹部が市内の母親宅を訪れて謝罪したというのが、コトの顛末のようなのである。
想像するに、夜中から朝までは酒の勢いでテキトーなことを口走り、逮捕された頃にようやくしらふに戻って、「やば!」と思ってしまったのだろう。そうだとすると、できの悪いコントみたいなゴチャゴチャの状況が、5時間以上も展開されていたに違いない。警察としても、さぞうっとうしかっただろうなあ。
ニュースによれば、尼崎署の副署長は、「今後、このような事案がないよう適正な手続きを徹底したい」とコメントし、署の幹部は、「韓国人と判断できる直接証拠もなく、供述と片言の日本語という間接証拠だけで逮捕したことは甘かった」と語った。いかにも優等生的コメントである。はい、ご苦労様。
まあ、確かに逮捕なんかしなくても、身柄拘束中にしらふに戻り、「実は日本人です」と白状しただろうという可能性は高い。さらに、もし本当に不法入国の韓国人だったとしても、それが明確に判明してから正式に逮捕すればよかったかもしれない。
しかし無銭飲食の嫌疑で事情聴取中の日本人が、不法入国の韓国人を装うという何の得にもならないことをするなんて、そんなご丁寧な想定を警察がする方がおかしいだろう。しらふに戻るのを待って正式に逮捕しても遅くはなかっただろうが、5時間もグジャグジャしたんだから、警察としても相当イライラしてたんだろうね。
そして私が一番驚いたのは、警察が母親の家まで出向いて謝罪したということに対してである。「へえ! なんてご丁寧なこと!」と思ってしまったのだよね。フツーは「ウチの馬鹿息子がいけなかったんやから、来てもらうだけ恥ずかしい」となるところだろうになあ。
まあ、そうならなかったところが、世の中、いろいろあるからおもしろいということなんだろうけどね。
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コメント
これは何だか警察側がいい迷惑という気がしますねぇ。偽計業務妨害罪とかにならないのかな。そもそも無銭飲食の件はどうなったんでしょう(笑)
投稿: 山辺響 | 2014年10月28日 11:04
山辺響 さん:
まさに、それが気にかかりますね。
無銭飲食の方は、5時間ゴチャゴチャしてる間に、なんとかなったんでしょうね。
投稿: tak | 2014年10月28日 17:22